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2013年9月11日 (水)

気になるニュース 208

 

お祭り騒ぎの陰で子ども・被災者支援法とか秘密保護法のパブコメ締切があるわけですよ・・・
引用書き起こし開始。

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*「ずっとウソだった」のリバイバル?東京五輪と原発事故


東京電力福島原発事故の発生直後、「ずっとウソだった」という替え歌がはやった。電力会社や歴代政権の「安全神話」を揶揄(やゆ)した歌詞だ。それから2年余。東京五輪開催をかさに「神話」がまかり通る時代への逆行が始まった。東京地検は事故の刑事責任を問わず、安倍首相は五輪招致のアピールで、事故を過小評価した。五輪で沸く国内と懸念する海外メディアの差も広がるばかりだ。(出田阿生、榊原崇仁)


◆検察不起訴「手抜き捜査 隠した」

9日午後2時。福島原発告訴団の代理人、河合弘之弁護士のもとに東京地検から電話があった。話を聞き、同弁護士は思 

わず怒声を上げた。

「汚いじゃないか。東京五輪で沸き返ってる頃合いを見計らって、こそっと判断を出す。どさくさに紛れて世間の注目をそらそうというのか」

1日たって、河合弁護士はこう話す。「検察も原子力ムラの一員だ。批判を浴びる手抜き捜査を埋没させようとした」

福島原発事故を人災とみなす告訴に対し、検察は事故原因を津波と特定したうえ、2008年に東電が試算した15.7メートルという津波想定も「専門家の中で精度が高いと認識されていない」と断定し、不起訴とした。

「放射線量が高く、現場を捜査できていないのに原因を言えるか。時効寸前まで、現場が見られる状態になるのを待つべきだ」(河合弁護士)

実際、検察の主張する「事故予測は困難」にも大きな疑問が残る。

隣の東北電力女川原発(宮城県)は869年の貞観津波を踏まえ、15メートルの高台に建てられたため、東日本大震災では大事に至らなかった。

だが、福島第一原発では09年の国の会合で独立行政法人・産業技術総合研究所の岡村行信氏が貞観津波を考慮するよう求めたが、東電は拒否。結果的に女川と同程度の津波を防げなかった。

そもそも、津波の事故原因に対し、国会事故調査委員会は地震で機器が損壊した可能性を指摘している。同委員で、元原子炉設計技術者の田中三彦氏は「事故原因の話題は終わりにしたいのか。津波以外なら安全審査の規制基準も変わる。汚染水の問題ばかりに意識が行っちゃいけない」

真相を隠す風潮がよみがえっているのは、検察に限らない。世論に影響を与える発表のタイミングをめぐっては、東電が参院選翌日に汚染水の海洋漏れデータを公表したことも不可解だった。

この汚染水漏れについて、安倍首相は7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況はコントロールされている」と強弁した。事実と異なることは事前に報道され、東電ですら9日の会見で「一日も早く(状況を)安定させたい」と述べ、「コントロールされている」という首相の見解を即座に否定した。

10日には汚染水対策で閣僚会議が開かれた。政府は3日に基本方針を発表したが、5月の政府の会合で提案された「凍土の遮水壁」をそのまま採用する程度だった。

この日も追加対策は示されず、安倍首相は「政府一丸となってしっかりと責任を果たす」と繰り返しただけだった。


◆首相「第4の矢」 海外メディアは辛口

五輪の開催地決定で、日本の大半のメディアはほぼ祝賀ムード一色になっている。ネット上では「東京五輪に反対する人は非国民」という論調まで出てくる始末だ。

こうした国内のお祭り騒ぎの一方、汚染水の国際的影響に言及し、政府・東電の収拾能力に疑問を呈してきた海外メディアは、開催地決定後も事態を冷静に見ている。

英国の高級紙「インディペンデント」は「原発事故の危機は続いており、(東京は)五輪開催地にふさわしくないと考える人は多い」と記述。村田光平・元スイス大使の「健康に影響がない環境だと保証されていない日本に五輪を招致するのは、モラルに反する」という発言を引用した。

同じく英国のBBC放送は「10万人以上の人びとが、2年半前に起きた原発事故で家に帰れずにいる。福島の人びとは残りの日本人から忘れ去られ、政府は原発を再稼働させることばかり気にしていると感じている」と指摘。五輪に向けたインフラ整備も「かろうじて復興が始まったばかりの被災地にとり、東京に多大な金が注ぎ込まれることは良いニュースではない」と評した。

ロイター通信は「安倍首相は汚染水対策に約500億円を投じると言っているが、本音は五輪招致のためだったとの批判がある」と報じている。

さらに同首相が「五輪開催はアベノミクスの第4の矢」と胸を張る点についても「経済効果というよりは主に心理的な好影響にとどまるだろう。デフレ脱却につながるとの期待は見当違いだ」と辛口に評価している。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」は「日本の指導者らは放射能問題の深刻さを否定しているか、誤解させていると批判する声もある」と記した。

中韓のメディアも安倍発言に反応した。「人びとの懸念は完全には打ち消せていない」(中国・国営中央テレビ)、「安倍総理の現実認識は、汚染水問題に対する日本国民の目線とかけ離れているという批判がある」(韓国・ハンギョレ新聞)といった具合だ。

ドイツ・ミュンヘン在住のジャーナリスト熊谷徹さんは「ドイツでは福島の事故発生来、汚染水漏れに最大の関心が集まっている。環境問題を重視する国でもあり、首相が断言したことで、今まで以上に日本の対応を注視している」と語る。

実際、同国の有力誌「シュピーゲル」は「福島の汚染水問題が(五輪招致で)失敗の原因になるとみられていたので、東京開催の決定には驚いている」と報じた。

この国内と海外の報道内容の温度差は、五輪の開催地か否かで線引きできるものだろうか。

立教大の平川克美特任教授は「子どもでも分かるウソを一国の首相がついたのに国内で追及されないのは、五輪招致に成功して『勝てば官軍』になったからだろう。細かいことでガタガタ言わずに水に流そう─ということになった」とみる。

とりわけ、平川教授は安倍首相の「新聞のヘッドラインではなく、『事実』を見てほしい」という発言に注目する。「日本のメディアはうそつき呼ばわりされた。ならば反論する必要がある」

映画監督の想田和弘氏は国内の状況をこう描写し、懸念した。

「放射能汚染や人びとの苦しみを『なかったこと』にしないと、五輪の高揚感も経済的利益も台無しになる。招致の成功で、多数派には原発事故をないものにする強い動機が生まれた」


[デスクメモ]
首相の「コントロール」発言は事実に即せば、うそだ。うそを方便にするのは、五輪にまつわる国威発揚の感情だ。そこでふと思い出す。アジア侵略は歴史的事実。これを自虐なる主観でぬぐおうとする。その先に「美しい日本」が浮かび上がる。共通するのは存在する恥部をないと言い張る幼児性だ。


2013911日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013091102000169.html


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