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2013年9月11日 (水)

気になるニュース 207

 

東京地検にやる気はあったのか?・・・
引用書き起こし開始。

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*東電責任 法の限界 原発事故「人災」でも全員不起訴


東京電力福島第一原発の事故をめぐり、東京地検は9日、当時の東電幹部ら42人全員の刑事責任を問わず、不起訴処分とした。告発を受けて捜査を開始してから1年余。だが、個人の過失を立証するのが困難なうえ、組織に問題があっても取り締まる法律がない-など現行法の限界を露呈した。事故を受けて環境に関する法律の一部が改正されたものの、具体的な規制が決まっておらず、どこにも責任を問えない法の「空白」も続いている。(加藤益丈、中山岳)=検証<4>面


■名ばかり捜査

「捜査は遂げたが、過失を認めるのは困難だった」。9日の記者会見で、東京地検の堺徹次席検事は42人を不起訴処分とした理由を説明した。

東京地検は、刑法の業務上過失致死傷や公害犯罪処罰法違反、原子炉等規制法違反などの容疑で捜査。中でも、東電や規制当局の幹部らが巨大津波を想定できたのに対策を怠ったと立証できるかが焦点だった。地震学者や津波学者らに幅広く事情聴取し、「10メートル超の津波が襲来する確率は1万~10万年に1回程度」との東電の試算も踏まえ、想定外の津波だったと認定。「具体的に予測することは困難」と結論付けた。

業務上過失致死傷罪など過失犯は故意犯と違い「だれもが加害者になりうる」だけに立件のハードルは高い。

とはいえ、東電本店などへの家宅捜索を見送り、任意捜査にとどめた地検の消極姿勢には、福島原発告訴団から「名ばかり捜査だ」との批判が上がっている。


■矛盾に直面

原発事故では、歴代の東電経営陣が長年対策を取らなかった企業体質にも批判が集まった。だが捜査の対象は、事故当時の東電や規制当局の幹部らを中心とする個人に絞られた。個人犯罪を念頭にした刑法には、企業を単独で罪に問う規定がないからだ。独占禁止法など、個人の立件を前提に企業にも罰金刑を科す法律はあるが、業務上過失致死傷罪にこの仕組みはない。

川崎友巳・同志社大教授(刑事法)は「原発事故では、東電の体質や構造にこそ問題があったのに、個人のみの責任に帰してしまうと、問題の本質が覆い隠されてしまう。企業自身の刑事責任を問える仕組みが必要だ」と語る。

2005年に発生したJR福知山線脱線事故の公判では、現場カーブの脱線リスクを予測し、安全装置を設置する義務がJR西日本元社長にあったかが争われた。神戸地裁は「『いつか起こり得る』程度の認識は危惧感にすぎない」と判断。無罪判決を言い渡した。

この裁判では、利益優先の企業体質や運転士の勤務体制などの問題が争点にならず、遺族から「事故の本質とかけ離れている」と批判が上がった。

福島原発告訴団は今後、検察審査会に審査を申し立てる方針。東電幹部らが強制起訴された場合、同じ矛盾に直面することは容易に想像される。


■残された課題

今回、法人としての東電も放射性物質を大量に拡散し「公害」を引き起こしたとする、公害犯罪処罰法違反容疑で告訴された。しかし、この法律は「事業活動に伴う排出」が前提。今回は事故が原因で、東京地検は刑事責任が問えないと判断した。

公害を防ぐための法律は、他に大気汚染防止法や水質汚濁防止法などがあるが、事故以前まで放射性物質は適用対象外だった。背景には「深刻な原発事故は起きない」という安全神話のもと、原発事故による環境汚染を想定していなかった「法の空白」がある。

原発事故後の昨年6月、環境基本法が改正され放射性物質が新たに適用対象になった。今年6月には大気汚染防止法、水質汚濁防止法などでも放射性物質が対象に加えられた。環境省は先月から、大気や水の放射性物質をどう監視するか検討会を始めた。

ただ、具体的な規制のあり方や違反があった場合の罰則をどう科すかなど課題は残っており、法の空白はいまだに埋まっていない。


2013911日 東京新聞:核心
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013091102000118.html


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