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2013年9月10日 (火)

気になるニュース 206

 

このツイートを見てIOCは本当にだまされたのかな?と思った・・・
引用書き起こし開始。

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*汚染水 外海に流出中 首相「0.3平方キロ遮断」は誤り


福島第一原発は「コントロールされている」-。国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、安倍晋三首相が口にした発言に違和感を覚えた人は少なくないだろう。コントロールどころか、汚染水漏れの原因すら解明できていないのが本当だからだ。東京五輪の開催が決まり、国内はお祝いムードに包まれているが、原発事故が続いていることを忘れてはいけない。(鈴木伸幸、上田千秋)


◆首相「遮断」発言

「汚染水は垂れ流し状態なのに、他の言い方はできなかったのか。その場しのぎの発言だ」

福島県いわき市漁協販売課長の新妻隆さんは腹立たしく思う。同漁協は汚染水漏れの発覚で、「消費者の理解が得られない」と今月から予定していた試験操業の延期に追い込まれた。

安倍首相は7日(日本時間8日)のIOC総会で、汚染水について「状況はコントロールされている」「福島第一原発の港湾内0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と明言した。だが、7月以降、重大なトラブルが相次いで発覚している。

0.3平方キロメートルの範囲」とは、防波堤で囲われた原発専用港湾を指しているようだ。「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状の仕切りが所々あるものの、汚染水の海洋への流出を完全には防げない。また、8月中旬に明らかになった地上タンクから漏れた汚染水約300トンは、排水溝に跡があることから、海に流れ込んだとみられる。


◆福島第一対策 漁協から注文

近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)は「完全にブロックという断定は科学的には間違い。言い過ぎだ」と批判する。港湾外では放射性物質の濃度が高い魚介類が見つかっており、「今も汚染水が外洋に漏れている。汚染水のコントロールには早くて23年はかかる」という見通しを示した。

安倍首相はまた、「近海でモニタリングしているが、放射性物質の数値は最大でも世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの500分の1」とも総会で説明し、安全性を強調した。

WHOのガイドラインは、1リットル当たり0.5ベクレル以下だ。確かに大半の海域で数値は低いが、500分の1にまで下がっていない場合もある。言い切っていいものなのか。

いわき漁協と同じく、昨年6月からの試験操業をやめた相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は「モニタリング調査の数値に基づくのだろうが、汚染水がなくならない以上、現在の数値にとどまる保証はない」と懸念する。「五輪の経済効果は大きく、復興支援につながる部分もあるだろう。歓迎すべきだとも思うが、被災地対策もしっかりと考えてもらいたい」と注文を付けた。

疑問符の付く安倍首相の発言はもう一つ。「日本の食品や水の安全基準は世界で最も厳しい」と説明したが、厳密には違う。チェルノブイリ事故の影響を受けたベラルーシは、一部の食品の基準が日本よりも厳しい。


◆柏崎再稼働 後押し懸念

政府は原発の汚染対策費として約470億円の国費投入を決めているが、その効果は不透明だ。

汚染水は福島第一原発の敷地内に計35万トン貯蔵されている。さらに、地下水流入などで日々400トンずつ増え続けている。

超低温の液体を使って土を固めて「凍土壁」をつくり、地下水を遮断する算段だが、技術は確立できておらず、完成には23年かかるかもしれない。導入予定の新型の汚染水浄化装置も放射性トリチウムを除去できないという。つまり、汚染水をため続けるしかない。その貯蔵用タンクを設置する空き用地も徐々に減り、八方ふさがりの状況になりつつある。

「東京五輪は原発事故の目くらましのような気がする。家に戻れない被災者のいる福島の事故は現在進行形の問題なのに」と言うのは新潟県の「原発反対刈羽村を守る会」の武本和幸さんだ。

五輪開催決定のお祝いムードをよそに、新潟でも不安は広がっている。福島が「安全」であれば、柏崎刈羽原発はさらに安全となり、「五輪開催準備による電気の需要増を理由に、柏崎刈羽の再稼働となりかねない」からだ。

泉田裕彦新潟県知事は再稼働に向けた原子力規制委員会への東京電力の審査申請を認めない方針だが、周辺自治体では容認する首長も少なくない。柏崎刈羽の安全性を心配する地元の人たちは、五輪誘致の成功で「みそぎは済んだ」と安倍政権が再稼働を主導する可能性を危ぶむ。

原発の停止は地元経済を落ち込ませている。柏崎市内の会社員の女性は「原発関係者が来ないからか、ホテルはガラガラ。繁華街の人通りも少ない」と言い、景気低迷と税収不足に悩む地元で、再稼働を求める声は強まっているという。


◆景気の皮算用 乗りたい地元

「五輪の国内経済への波及効果は約3兆円」という東京都の皮算用も気になる。安倍首相による「デフレや縮み志向の経済を、五輪開催を起爆剤として払拭(ふっしょく)していきたい」などと景気のいいコメントを聞くと、地元も「乗り遅れたくない」と思ってしまうという。

「一時的な五輪景気はしばらく続くだろうが、それで日本が本質的に抱えている問題を忘れてしまうようでは本末転倒。踊らずにもっと冷静にならないといけない」

エコノミストの紺谷典子(こんやふみこ)さんはそう警告する。「総会での安倍首相の発言には、何度も『うそー』と言いたくなった。現実を知っていれば、今でさえ首相発言に『?』なのに、今後、別の問題が起きて国際的な信用を落とさないか心配だ」と話した。

「五輪の盛り上がりに従い、ネット上では汚染水問題などについて『招致に水を差すな』という意見が目立つようになった」と法政大の水島宏明教授(映像ジャーナリズム論)は言う。「汚染水漏れの事実を事実として問題提起することさえ難しくなっている。そんな雰囲気が非常に怖い」

「五輪開催決定の結果として、汚染水漏れがさまつな問題にされてしまっている。ましてや原発再稼働への国民的関心は薄らいだ」と憂う。

「現実に照らし合わせれば、首相の発言はうそではないか。IOCはまんまとだまされた。そうであれば、うそが現実となるように国際社会に監視してもらうしかない」と皮肉った。


[デスクメモ]
病床の母に二度目の東京五輪決定を伝えた。「そう」とほほ笑んだが、すぐに「でも、見るのは無理かもね」と寂しげな顔。「あと7年。2回も見られる人は少ないよ」と励ます。スポーツの他にない力に期待したい。五輪を成功させるためにも、原発問題に早くけりをつける必要がある。(文)


2013910日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013091002000137.html


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