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2013年8月17日 (土)

気になるニュース 184

 

闇の秘密保全法案て・・・どんな日本になるんだよ・・・
引用書き起こし開始。 

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*闇に包まれた秘密保全法案 止めるために何ができるのか 


「こちら特報部」も昨年来、警鐘を鳴らしてきた秘密保全法案が秋の臨時国会に提出される。国民の知る権利を制限し、公務員のみならず、広く国民のプライバシーを侵害しかねない法案だ。法案作成までの過程にも不透明さが著しい。メディア界や日本弁護士連合会などは反対しているが、国会での勢力分布を見れば、成立する可能性が高い。抵抗する方策はないのか。(出田阿生、佐藤圭) 


◆報告書 官僚の独断か 

「数次にわたる意見照会の中で、そのつど意見をもらってきた。最終案に意見がなかった委員には了承されたと考えた。委員が了承していない報告書を政府に提出するはずがない」。内閣情報調査室(内調)の橋場健参事官はそう話した。 

何の話かというと、秘密保全法案のたたき台となる「秘密保全法制に関する有識者会議」の報告書のことだ。民主党政権時代の201188日に公表された。 

ところが、委員の意向を十分確認しないまま、事務局の内調が独断で報告書を決定していた疑いが浮上している。 

報告書作成の過程に疑問を抱いていた市民団体「軍事問題研究会」(東京)が「報告書が有識者会議で承認されたことを記録した文書のすべて」を請求したところ、昨年8月、政府の「情報保全に関する検討委員会」の議事録と議事要旨の一部が開示された。しかし、同研究会は不十分として昨年末、内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に不服を申し立てた。 

審査会が内調に再調査させると、委員の一人から内調に送られた電子メールの記録が出てきた。送信日時は11727日。「報告書をお送りいただきありがとうございました。議論の経緯がよく反映されていると存じます」とあった。 

ちなみに有識者会議は111月から6月まで計6回、非公開で開催。第5回会議後、内調が報告書の第一次案を作成。数回の修正を経て、最後の第6回会議には「第三次修正案」が提示され、その後も再修正を加えた上で、最終的な報告書が出来上がっている。 

電子メールは、最終案に対する回答だ。委員は5人いるが、残る4人の記録はない。審査会の答申書(先月2日付)によれば、内調は審査会側に「(電子メールで)最終案に対する意見照会を行った結果、特段の意見がなかったことから、有識者会議で了承されたと判断し、報告書とした」と説明している。 

だが、同研究会の桜井宏之代表は「全委員から了承の回答があれば『了承した』となる。『了承したと判断』という表現は、全委員から了承が得られていない事実が読み取れる。官僚の独断ではないか」と指摘する。 

野田政権も昨年の通常国会で、秘密保全法案を提出する構えを見せた。しかし、有識者会議をめぐり、議事録の未作成や職員メモの破棄、ホームページ用公開資料の改ざんなどが次々と発覚。 

内調が事前に詳細な「事務局案」を作成するなど「官僚主導」の実態も明るみに出た。今回の「報告書疑惑」は秘密保全法案の不透明さをあらためて証明した格好だ。 


◆米からの要請 法案のルーツ 

ここであらためて、秘密保全法案の危うさをおさらいしてみる。「何のための秘密保全法か」の共著がある海渡雄一弁護士は「米国との軍事協力上、必要だとして出てきた。07年に米国と軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結んだ際、米国並みに罰則を科す秘密保持体制をつくるよう米国に要請されたのがルーツ」と説明する。 

今回の法案提出は安倍内閣が年内創設を目指す国家安全保障会議(日本版NSC)とセットだ。 

「国家機密なんて日常とは無縁と思うかもしれないが、実は身近。たとえば原発事故が再び起きた際、国が発生を隠すことさえ可能になる」 


◆第三者機関が検証できず 情報統制 やり放題に 

法案内容が明かされないので、有識者会議報告書から推測すると、こんな具合だ。「国の安全(防衛)」 「外交」 「公共の安全と規律秩序の維持(治安)」の3つの分野で、国益にかかわる情報を「特別秘密」に指定。これを漏らしたり、入手したりした人を罰する。最高刑は懲役10年だ。 

さらに公務員のみならず、配偶者や恋人、同級生など、周辺の人たちまで、そのプライバシーが調べ上げられる。 

小さな原発事故なら、パニックが起きる危険があるとして「治安」を理由に事故発生を「特別秘密」に指定できる。大きくても、福島原発事故の際には、放射性物質の拡散情報が公表されず、住民がより高い線量の場所に避難させられた。これが正当化される可能性がある。拡散情報を公務員が漏らし、メディアが報じれば刑罰対象になりうるからだ。 

旧ソ連はチェルノブイリ原発事故の発生当初、事故を隠した。日本でも戦時中の194412月、約1000人の死者を出した「昭和東南海地震」が発生したが、軍需工場の被害を国民や敵国に知られまいと、軍部が地震を「軍事秘密」にして報道を規制した。 

特別秘密を指定するのは防衛省、外務省、警察庁をはじめ、全ての国の行政機関で、問題は第三者機関がその妥当性を検証できないことだ。 

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「秘密保全法違反で起訴され裁判が開かれても、特別秘密の内容は法廷で公開されない可能性が高い。形式的な立証だけで、犯罪者とされてしまう恐れがある」と警告する。 

参院選で自民党が圧勝した今、国会に法案が提出されれば、審議がほとんどされないまま可決成立する可能性がある。どうすればいいのか。 


◆「実は身近な危険、自覚必要」
 

上智大の田島泰彦教授(情報メディア法)は「おそらく法案はできている。だが、内容は箝口令(かんこうれい)が敷かれ、表に出てこない。だからメディアもあまり取り上げない。法案を出す官僚たちが高等戦術をとっている」と憂慮する。 

秘密保全法案とよく似た「国家秘密(スパイ防止)法案」は85年に提出されたが、「戦時下の監視体制に逆戻りする」と世論の猛反発を受け、廃案となった。田島教授は「いまは小さな反対集会が開かれる程度だが、官邸前デモのように目に見えるパフォーマンスをしては」と提案する。 

青山学院大の大石泰彦教授(メディア倫理法制)は「倫理観」をキーワードにする。「原発事故が起きても誰も責任を取らず、忘却し、現実を直視しない。政治家の無責任さに対するメディアの追及も甘い。そんな無倫理状態が今の日本を蝕(むしば)んでいる」と批判する。 

そしてこう訴えた。「私たちの生活を脅かす法案の成立を防ぐのに重要なのは、社会に生きる一人一人の自覚。社会の現実から目を背けていないか自問自答し、倫理観を取り戻すしかない」 


[デスクメモ] 
エジプトの騒乱が伝えられるが、軍に排除されたムスリム同胞団率いる前政権にも問題はあった。選挙での勝利を民衆からの「白紙委任」と勘違いしたのだ。その誤解は現在の自民党にも通じかねない。しかも留め金が権力内部にはない。たとえ、ごまめの歯ぎしりでもメディアが責務を果たさねば。(牧)


2013817日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013081702000166.html

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