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2013年7月13日 (土)

気になるニュース 143

 

どうして福島県内では災害公営住宅が1件も完成してないんだ・・・
引用書き起こし開始。 

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*参院選 置き去りの震災・原発事故関連死問題 


東日本大震災や福島原発事故で、現在も30万人が避難生活を送る。環境の激変やそのストレスなどで「関連死」する人は後を絶たない。市町村が遺族に最大500万円を支払う災害弔慰金制度があるが、運用の混乱から遺族が苦しむケースも起きている。さらに時間の経過とともに、因果関係の認定も厳しくなりそうだ。参院選の選挙戦も後半戦。だが、被災住民の生死に関わる問題は語られていない。(上田千秋)


「二人が帰ってくることはもうない。けれど、せめて『原発事故のせいで死んだんだ』ということを認めてほしい」

JR福島駅にほど近い借り上げ住宅の一室。計画的避難区域の福島県川俣町山木屋から避難している渡辺彦巳(ひこみ)さん(60)がそう話した。

渡辺さんは福島原発事故で避難し、その後、亡くなった父義亥(よしい)さん=当時(87)=と母マチさん=当時(86)=の弔慰金の支給を町に求めている。

渡辺さんは事故当時、町内の会社に勤め、両親と妻、長男、次女の計6人で暮らしていた。

一昨年312日に福島第一原発の1号機建屋が爆発した。テレビではその映像が繰り返し流された。避難指示はまだ出ていなかったが、渡辺さんも「山木屋は危険」と判断。18日に両親を埼玉県草加市の渡辺さんの妹宅に避難させ、自身も残る家族と水戸市の長女宅に身を寄せた。 

しかし、マチさんに疲れが見え始め、避難から10日後、渡辺さんは「自宅が一番」と考えて、山木屋へ連れて帰った。

 

一方、義亥さんは体の衰えや軽い認知症はあったが、生活に支障をきたすほどではなかった。だが避難後、急激に悪化。間質性肺炎を発症し、入院先の草加市の病院の医師から「連れて帰るなら今しかない」と言われて自宅に戻った。その2日後の44日、布団の中で亡くなっていた。急性心筋梗塞だった。


渡辺さんらは同年5月に福島市の借り上げ住宅に移った。マチさんは川俣町の施設に入居。施設では顔見知りも多く平穏に暮らしていたが、昨年7月に同市の高齢者向けマンションに移った直後から、食事をあまりとらなくなり、弱気な発言が増えた。「どうせ死ぬんだから、飯なんか食わなくたっていい」。徐々に体力が落ちて今年4月、入院先の病院で間質性肺炎のため亡くなった。

「避難がなければ、ここまで早く死ぬことはなかったはず。先の見えない避難生活で、若い人でも精神的に疲れたり、体に変調を来したりしている。年寄りならなおさらだ」(渡辺さん)

渡辺さんは一昨年7月、義亥さんの件で災害弔慰金の申請をしようとした。ところが「震災の直接死じゃないと対象にならない」と、町から門前払いされた。県が同年5月に「原発事故の避難による死亡も弔慰金の対象とする」と市町村に通知していたが、担当課には伝わっていなかった。

今年3月の町議会でこの事実が発覚。町は渡辺さんに謝罪し、4人の課長を口頭注意の処分にした。マチさんの分と合わせて、6月に審査は始まった。しかし、いつ結論が出るかは分からない。

復興庁によると、震災や原発事故で関連死した人の数は、10都県で計2688人(今年3月末現在)。福島県が最も多く、同県の関連死者数は67日現在、1407人で、その約7割は原発事故によるものと推測されている。

福島県の場合、申請に対する関連死の認定率は約83%。ただ、時間の経過に従って「『震災や事故があったから死んだ』という因果関係の立証が簡単にはいかなくなってきている」(ある自治体の職員)のが実情だ。

例えば、うつ病を発症して自殺したケースで、関連死か否かの判断は各自治体の審査会によって分かれ始めている。

避難者は現在も全国に約30万人おり、福島県民だけで15万人ほど。仮設住まいなどストレスの多い避難生活が続いている限り、関連死の危険性はなくならない。

復興庁の検討会が昨年8月にまとめた報告では、関連死の多くは65歳以上の高齢者で、原因は1.避難所生活や移動に伴う身体的・精神的疲労 2.医療機関の機能停止による治療の遅れ─の2点が大半を占めた。

こうした状況について、同庁の担当者は「災害公営住宅の建設や医療機関の充実など、早期に帰還できる生活環境を整えるとともに、心のケアを進めていくことが必要だ」と語った。

だが、災害公営住宅については、福島県内では2015年までに3700戸を整備する予定になっているものの、完成した物件はまだない。

岩手、宮城両県内でも計18000戸余の建設計画があるが、関税済みはまだ計百数十戸。一定数の被災者はしばらく、仮設住宅での生活を強いられることになる。

大分大の山崎栄一准教授(災害法制)は「自宅に帰りたいが、帰れないことは人にとって大きなストレス。ましてや原発事故は放射性物質による汚染が相手だけに、そうした思いが増幅される。今後も関連死はなくならない」と予想する。

「法律が想定しているのは、地震や津波などの自然災害。避難が長期化する原発事故は念頭に置いていない。市町村が認めにくい請求については東京電力がカバーするなど、工夫が必要では」

東日本大震災から2年以上が経過したが、被災住民の生存への苦闘は続いている。だが、4日に公示された参院選で、候補者の間から震災・原発事故関連死に言及する声はほとんど聞こえない。

それどころか、自民党の高市早苗政調会長が先月、講演で「福島第一原発で事故が起きたが、死者は出ていない」と放言する始末。後に撤回したとはいえ、安倍晋三首相は「辞任の必要はない」という判断を示した。

渡辺さんは「時間がたったから因果関係の立証が難しいというのは、被災者の視点からは発想が逆。避難が長期化するほどストレスが増え、死につながる」と話す

「遺族は皆、『避難させなければ、死ななかったかも』という葛藤を抱えている。法的に救済されれば、精神的には楽になる。まだ、震災と原発事故から2年とちょっと。状況はちっとも良くなっていないのに、政治家はもはや何も言わなくなってしまった」


[災害弔慰金]
法の規定により、生計維持者が死亡した場合は500万円、それ以外は250万円が市町村から遺族に支払われる。関連死に該当するかどうかは原則、市町村が設置し、弁護士や医者ら有識者で構成する審査会で判断する。1995年の阪神大震災以降、ストレスなどで体調を崩して死亡した場合も「震災関連死」として対象に含まれるようになった。


[デスクメモ]
「復興の加速」はひどい冗談だ。国土強靭(きょうじん)化策なるバラまきで、被災地の建設資材や労賃は高騰。アリバイ除染の限界に開き直り、汚染水の垂れ流しで漁場は荒廃の一路だ。それだけではない。過疎化を促した小泉流構造改革を踏襲しつつ、復興を語っている。悪意を疑わざるを得ない。(牧)


2013713日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013071302000144.html


 

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