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ありえない。
引用書き起こし開始。
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*東電 苦し紛れの決断 柏崎刈羽、再稼働申請へ
「実質国有化」されている東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた審査を申請すると表明した。このために持ち回りとはいえ取締役会で決議した力の入れようには、どんな批判を受けようと本年度に黒字化したいとの思惑がある。背景には安倍政権が原発の利用に前向きな現状と、自民党の支持率の高さが見え隠れする。(吉田通夫、山川剛史)
◆なぜ今
原発の新規制基準が施行される8日以降、東電以外にも4電力が6原発、計12基の審査を申請する見通しだ。乗り遅れると審査が後回しになる焦りから、東電は唐突に映る姿勢に転じた。
沖縄電力を除く大手電力各社は、原発が停止して火力発電の稼働を増やしたため燃料費負担がかさむ。特に東電は、福島第一原発の事故対策費も膨らみ続ける。昨年、経営資金として1兆円の税金を受け、電気料金を値上げしたにもかかわらず、13年3月期連結決算は営業損益、経常損益とも2期連続の赤字だった。
「企業として3期連続の赤字はありえない」と強調してきた広瀬直己社長は、この日の記者会見で「柏崎(刈羽原発)は、黒字化に向けて極めて重要な要素だ」と強調した。
関西電力など再稼働の審査を早期に目指す各社は、それぞれ社長の定例会見などで方針を表明してきたが、東電は取締役会で決議する異例の判断に。広瀬氏は「今回の申請は経営上でも大きな決定なので、最高意思決定機関である取締役会にも諮るべきだと考えた」と述べた。
福島第一原発の事故を起こした当事者が再稼働に向けて動きだすと、強い反発が見込まれ、広瀬氏も「みなさんがそういう(反発の)気持ちになるだろう」と認めた。
◆ぬるい風
それでも、東電の背中を押す形になっているのが、昨年暮れの政権交代後に吹くぬるい風だ。
自民党は衆院選の公約では「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」としていたのに、政権を取ると、原発再稼働の推進、問題の多い核燃料サイクル政策は維持するなど旧来の主張へと後ずさり。
原子力規制委員会は新しい原発の規制基準による正式な審査を経ないまま、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転継続を認める方針を決めた。
そんな動向も見ながら、電力各社は続々と再稼働申請の方針を打ち出した。
東電は、6月19日に新基準が決まった際、本紙の取材に対し、「再稼働に言及できる段階にない」と、福島第一原発事故を起こした負い目もあってか、慎重な姿勢を強調していた。
だが、同26日の株主総会で、柏崎刈羽原発の廃炉など「脱原発」を求める株主提案が否決された後は、姿勢を急転換。一気に再稼働に動き出した。
◆勝算
規制委への再稼働申請は、東電の判断で可能だが、再稼働が本当に認められるかどうかは別の話だ。
柏崎刈羽原発は、特に6、7号機は運転開始から20年未満と比較的新しく、設備面の対策もかなり進んでいることは確かだ。
しかし、原発はいったん事故を起こすと広範囲に汚染をまき散らすだけに、原発内だけではなく、地元の住民や自治体の理解と備えがないと危うい。
本紙の取材では、原発がある柏崎市や刈羽村ですら、事故時にどこに避難するのか具体的な計画が決まっていなかった。避難訓練にしても、周辺自治体になると、避難先も決まらず、訓練もしていないところが多かった。
こんな状態では、原発内の対策と地域の防災体制は「車の両輪」(規制委の田中俊一委員長)だけに、規制委としても簡単にOKは出せない。
今回の東電の急変ぶりに、新潟県の泉田裕彦知事は「地元との信頼関係を完全に破壊する行為だ」と猛反発。再稼働の重要な関門である地元の同意が得られるかどうかもかなりあやしい。
2013年7月3日 東京新聞:核心
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013070302000143.html
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