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2013年7月 2日 (火)

気になるニュース 128

 

憲法に関する本が売れているらしいが・・・
引用書き起こし開始。 

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*<チェック改憲>「社会変わる…」改憲神話 世論調査で肯定派増えたワケ 


参院選に各政党が走りだした。自民党などが掲げる憲法改定の発議要件を緩和する96条や戦争放棄をうたった9条など個別条項の改定には反対が多い。だが気になるのは、最近の世論調査で改憲自体への賛成が、反対を上回り続けていることだ。有権者の改憲イメージはいかなるもので、「改憲神話」はどのように生まれたのか。(荒井六貴、小倉貞俊) 


「私が担当する講義では、受講生の約7割が改憲に賛成でした」。久留米大(福岡県久留米市)の石川捷治(しょうじ)教授(現代政治史)はこう話す。 

受講する大学23年生の約100人に改憲の是非をアンケートした。賛成7割のうち、さらに改憲を強く望むのは2割ほどだった。この結果について「ふわっとした改憲派が多い」と読み解く。 

マスコミ各社の世論調査でも、改憲肯定派が半数を超えている。 


9条、96条は反対なのに 

本社が加盟する日本世論調査会が689日に、3000人を対象に面接した調査では、改憲について賛成63%と、反対32%を大きく上回った。朝日、読売などの最新調査でも改憲賛成派は多い。 

一方、9条の変更について、日本世論調査会では賛成40%に対し、反対が55%と上回った。96条についても、反対は過半数だ。各紙でも9条や96条の改定に否定的な声は多い。改憲派でも個別の条文では、改定の賛否が分かれる状況だ。 

改憲を望む理由は何か。朝日では「国会の仕組みに問題」「古くなった」「米国の押しつけ」が20%程度で並ぶ。読売は憲法に関心がある点を聞き、9条に絡む「戦争放棄、自衛隊」が46%と最も多かったが、それに「環境」「選挙制度」「社会福祉」が続いた。 

改憲派が多数を占めるようになったのは、1990年代前半がターニングポイントだ。東西冷戦が終結し、湾岸戦争や国連平和維持活動(PKO)で「国際貢献」の名の下、自衛隊が海外に派遣され、憲法論議が話題に上ったことが影響したとみられる。 


◆あいまいなムード先行も 

日本世論調査会の93年の調査では、「論議の結果、改正があってもよい」が増え、「改正に向けて積極論議」を合わせると72%に上った。 

読売は同年、改憲賛成派が50.4%で、反対は33%となり、81年の調査開始以来、初めて賛成派が上回ったとした。朝日でも90年代に、賛成が反対を逆転している。 

北海道新聞の95年調査は、道内で賛成は68.9%と、反対の3倍近くに上った。ただ、「憲法をよく知っている」と答えた人の8割近くが改憲に反対し、「あまり知らない」と答えた人の7割が賛成だった。これはムード先行の改憲意識を浮き彫りにしたが、それが進行したとみられる。 

石川氏は「今は、期待された政権交代でも社会が変わらない。特定の条文を変えたいというよりも、現状を打破したい、憲法を変えれば、社会が良くなるといった希望的な空気みたいな改憲論がある」。それを「改憲神話」と呼んで続ける。 

「例えば、中韓との関係や、アルジェリアの人質事件など、軍を持って『普通の国』になれば、問題解決するという漠然とした印象もあるのだろう」。若者に関しても「就職難などで取り巻く状況は厳しく、その思いは強いのではないか」。 


◆戦争の記憶過去のものに 

「改憲神話」は、なぜ生まれたのか。「9条改定の議論に象徴されるように、戦争の記憶が『過去』のものになりつつあることが大きい」と話すのは、反核平和を訴える有識者でつくる「世界平和アピール7人委員会」の小沼通二(みちじ)慶応大名誉教授(物理学)だ。 

628日、憲法の基本理念を否定する改定への動きについて、政府と国会議員に中止を訴えるとともに「主権者である国民が注目し、意見を表明する」よう求めるアピールを発表した。 

小沼氏は「戦後世代には、戦争が人ごとで非現実的なものになっている。小選挙区への移行などで保守勢力が拡大し、改憲派が力を持ったのも要因だ。護憲の多彩な意見が弱まっていった」と言う。 

明治学院大の吉原功名誉教授(コミュニケーション論)は「自民党を中心にした改憲勢力が主張する『戦後70年近くもたったからそろそろ』『米国の押しつけ憲法だから』などの誤った論調がうまく浸透していったためだ」と説明する。 

背景として、90年代以降の長引く不況の突破口が見つからず、米国から人的な国際貢献を求める圧力を挙げ「一部が武器輸出三原則の見直しに動いているが、軍需産業をもっと自由にして、そこから日本経済を再生させたいのではないか」。 

さらに「改憲神話」を後押しした要素として「メディアは両極端の意見があれば、その中間の論調になる傾向がある。世の中全体が保守化していけば、その中間も右寄りになってしまうということだ」と語る。 

関西大の高作正博教授(憲法学)は「90年代初めに自衛隊の海外派遣の是非が論議され、『現行憲法でもできること』と、集団的自衛権などの『できないこと』の線引きが明確化した。自衛隊を認知する流れの中で、改憲に対する危機意識のハードルが下がってきていた」と指摘。これに中韓との関係など昨今の情勢が加わったとみる。 

そして世論調査では、憲法改正に「賛成か反対か」という問い方のため「よく中身を知らなければなんとなく『賛成した方が良いのかな』と誘導されてしまう」。 

前出の石川氏も「憲法『改正』となれば、正しく改める意味だから、賛成できてしまう。自民党の改憲草案などは改悪だと思うが、『改正』という言葉でオブラートに包まれ、雰囲気を後押しする」と指摘する。 

では、どうしたらいいのか。吉原氏が説くのは「改憲された後の社会に起こり得る危険を想像すること」だ。「ひょっとしたら、子どもたちが戦争に行かされるかもしれない。自民党草案は家族の役割を強調しているが、生活保護の申請ができなくなるなど、現実の生活を縛るような形に利用される可能性もある」 

憲法をめぐっては、改憲や護憲以外にもさまざまな造語が誕生。高作氏は、96条が知れ渡ったことで同条の改定反対が増えたことを踏まえ、まずは憲法自体をきちんと知るべきだとの「知憲」という概念を唱える。 

「憲法の知識が十分ではないと、『改憲せねば尖閣諸島を守れない』と刷り込まれるが、実際には現行憲法で守れる。改憲派が主張する『変えたい理由』に反証していけば、現行の大切さに気付いてもらえるはずだ」 


◆前文の理念 改悪許さず 

そもそも憲法の前文では「(国民主権など)人類普遍の原理に反する一切の憲法、法令および詔勅を排除する」とうたう。 

高作氏は「前文は法規範としての効力を認められている。憲法の原理に反する改定は許されないわけで、国民の権利を束縛しかねない自民党の草案は違憲になるおそれすらある」と強調した。 


[デスクメモ] 

原発に続き、改憲も「安全神話」に染まっていると思うのは心配性か。造語は各党の本音を包み隠し、誘導したい意図もある。自主憲法の創憲、あいまい姿勢の論憲、新しい権利を加える加憲などがある。安倍政権への危機感から改憲を「壊憲」と訴える市民もいる。せめて改正は改定と言い換えたい。(呂)


201372日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013070202000139.html

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