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2013年6月12日 (水)

気になるニュース 98

 

テロがー!と言えば何でも通るイメージ・・・
引用書き起こし開始。 

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*異色元CIA職員の「決断」 年収20万ドル捨てて告発 


米情報機関の国家安全保障局(NSA)がインターネット上の個人情報を収集していたと明らかにしたのは、中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン氏(29)だった。身の安全、年収約2000万円の「快適な生活」を捨ててまでの暴露。その「決断」の背景などを探った。(小坂井文彦、出田阿生) 


「米政府がやっていることは民主主義への脅威だ」。冷静な口調。短髪、メガネ。どこにでもいそうな若者が米政府によるネット情報収集を告発したスノーデン氏だ。 

英紙ガーディアンが公開したインタビュー映像。「時間の経過とともに間違ったことをしているという意識が高まり、告発を考えるようになった」と米政府を批判。告発によって世界中に議論を巻き起こし、最終的に米政府の情報収集をやめさせたい。これがメディアへのリークの最大の動機だった。 

米政府は同氏を刑事訴追する構えとされる。年収20万ドル(約1930万円)、ガールフレンドとハワイ・オアフ島で快適な生活を送っていたが、今や「逃れの身」。11日午前、それまで宿泊していた香港の豪華ホテルをチェックアウト。その後、行方は分からない。アイルランドに向かうのではとの見方もある。 

香港での生活はかなりピリピリしていたようで、ホテルの室内でも隠しカメラを恐れ、パソコンに暗証番号を打ち込む際は赤いフードをすっぽりとかぶっていたという。 

事の起こりは5月下旬だった。NSA絡みの業務を行っている「ブーズ・アレン・ハミルトン社」のハワイ事務所に勤務。520日前後、上司に持病治療のため、23週間出社できないと伝え、そのまま、NSAで入手した機密資料を携えて、香港へ。同居していたガールフレンドにも理由を伝えなかったという。香港を選んだのは「米政府に抵抗する数少ない場所だから」。 

◆家族より心配 世界の無関心 

あえて、実名、素顔を公表したのは「自分は悪いことはしていないから」という信念からだ。「(自分の告発によって)家族に害が加わる可能性があることで、それを考えると夜も眠れない」というが、それ以上に心配なのは「自分の行動によっても世界が変わらないことだ」と訴える。

同氏の経歴は変わっている。ノースカロライナ州生まれ、首都ワシントンに近いメリーランド州で育った。学業成績はふるわず、高校もドロップアウトした。同州のコミュニティーカレッジでコンピューター技術を学んだが、ここも途中でやめている。米メディアによると、CIANSAなど高度な情報を扱っている人物としてはあり得ない学歴なのだという。 

2003年に米陸軍に入隊。特殊部隊を志願していたが、訓練中の事故で両足を骨折、除隊した。 

05年、最初の就職先はメリーランド大学内のNSA施設の警備員。07年からCIAのジュネーブ支局に勤務し、コンピューター網の安全管理を担当した。ジュネーブ時代、CIAのあくどい工作に幻滅し、自分がCIAに所属したことを「悪の片棒をかついでいる気がした」と後悔している。 

09年にCIAを退職して、NSAと契約する民間企業へ。日本の米軍基地内のNSA施設で勤務した経験も。その後もNSAと契約する民間会社を転々とし、最後の会社に入ったのは3カ月前。ハワイの隣人は「声を掛けると家の中に急いで入ってしまった」といい、内気な面も。政府の権限を極限まで縮小するリベタリアン派の政治家、ロン・ポール氏に献金した事実も。NSA関連会社にいながら、パソコンには「ネットに自由を」とのステッカーを張っていた。 

スノーデン氏が人生をかけてまで、明らかにしたかった政府の情報収集・作戦名「プリズム」とはどんな内容なのか。 

同氏の証言やNSAの内部資料によるとプリズムはブッシュ前政権の2007年、テロ防止の目的でスタートした。情報入手の対象企業は同年はマイクロソフト、08年にヤフー、09年にグーグルとフェイスブック、10年にユーチューブ、11年にスカイプと年々増加。NSAは昨年の時点で、9社のサーバーに「無制限にアクセス」できた。 

プリズムにかかる年間予算は2000万ドル(約193000万円)。メールやチャットの通信内容、友人にしか公開していない経歴など、どんな情報でも引き出せ、「各戸の玄関口に捜査員が立ち、全行動を監視されているのと同じ」との声が有識者から上がる。 

オバマ大統領は7日、ロサンゼルスで記者団に「連邦議会に報告し、裁判所の許可も得ている。100パーセントのテロ防止と100パーセントのプライバシー保護は両立できない」と答えた。クラッパー国家情報長官は8日、「プリズムは秘密の情報収集のプログラムではない。米議会で十分に討議され、承認された」と声明を出し、合法な活動だと強調した。 

米マスコミの報道によると、NSAの入手する情報の十数%はプリズムにより、オバマ大統領への毎朝の説明でもプリズム情報が使われているという。情報で、未然にテロを防げたこともあったとされる。 

米政府が合法と主張する根拠が、1978年制定の外国情報監視法(FISA)だ。慶応大学の土屋大洋(もとひろ)教授(国際政治学)によると、ニクソン元大統領が盗聴に関与したウォーターゲート事件を契機に、米国情報機関が盗聴できる対象を外国人に限定し、米国民の盗聴をできないようにすることが主目的だったという。 

◆法律の精神はすでに骨抜き 

0512月、ブッシュ前政権が米国民を含む大規模な通信傍受をしていることが明らかになり、「令状が必要のはず」と批判が起きた。08年に令状を不要とする法改正の動きが出て、オバマ氏は当初、反対を表明したが、初当選した選挙期間中に「テロ対策には必要」と姿勢を転向し、法は改正された。 

サーバーへの無制限のアクセスも、対象企業に「国家安全保障レター」を提出するだけで法的に可能になった。企業は米政府への協力を口外しない守秘義務を課せられる。今回、ヤフーなど9社が米政府への協力を公的には否定していることに、土屋氏は「法律の縛りがあるのだろう」という。 

「米政府による情報収集は公然の秘密だった。ボストン・マラソンの例でも分かるようにテロリストは既に米国内にいる。米国人への情報収集は法で禁じられているが、疑わしい人物は対象になっているだろう」と法の当初の目的は骨抜きになっているようだ。 

米国政治に詳しい日本国際問題研究所客員研究員で、青山学院大学の中山俊宏教授は「現在の批判は、ニクソン元大統領のような人物が出てきたら、再びウォーターゲート事件が起きかねないという原則的なものだ。今後、批判が続くのか。米政府によるAP通信の通話記録の入手もほとんど問題にならなかった。テロ対策との兼ね合いを、米国民が今後どう判断するのかは分からない」と話した。 


[デスクメモ] 
米国内ではスノーデン氏に対する見方は分かれる。政府のやり方をばらした英雄か、それとも、国の安全を脅かす裏切り者か。最新の世論調査ではプライバシーが侵害されても政府による対テロ捜査が大切という米国民は6割を超える。人生をかけた暴露。味気ない思いで身を隠していることだろう。(栗)


2013612日 東京新聞 こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013061202000150.html

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