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2013年6月 3日 (月)

気になるニュース 79

 

よく知らない事件だけど記事を読んだら気になったので・・・
引用書き起こし開始。 

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*陸山会事件虚偽報告書 元検事に「不起訴不当」 


小沢一郎元民主党代表が強制起訴され無罪となった陸山会事件の捜査で、虚偽の報告書を作成した東京地検特捜部の元検事(46)について、東京第一検察審査会は4月、「不起訴不当」と議決した。「起訴相当」ではなかった点について、市民団体は検察審査会で審査補助員を務めた元検察幹部の「ヤメ検」弁護士の影響を疑い、推薦した東京弁護士会に批判の声を上げている。(小坂井文彦)


「元検察幹部が、検察不祥事の事件で法的な助言をする審査補助員を務めるのはおかしい」

市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」代表の八木啓代(のぶよ)さんはこう話す。

まず事実関係をおさらいすると―。小沢氏(現・生活の党代表)は資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された。元検事による虚偽の捜査報告書作成は201112月、その公判で発覚した。報告書には、元私設秘書の石川知裕前衆院議員が取り調べで隠し録音をした内容と著しく異なる内容が記載されていた。

市民の会は、元検事を虚偽有印公文書作成などの罪で刑事告発。最高裁が126月に不起訴とし、検察審査会に審査を申し立てた。今回の議決は「意図を持って改ざん」と踏み込みつつも、強制起訴につながる「起訴相当」ではなかった。検察はあらためて元検事の起訴または不起訴を決めることになるが、最高検は再び不起訴にし、幕引きするとみられている。

だが審査補助員は「ヤメ検」弁護士だった。東京高検公安部長や最高検検事を務めた元検察幹部で、最後は懲戒処分となり辞職した。新潟地検検事正だった1998年、妻の遺産相続の申告漏れを指摘した国税当局に対して抗議文を送付。「私的な問題に、検察官の地位を不当に利用したとの批判を受けかねない」というのが懲戒理由だ。

八木さんは「当時、免職にならなかったことに恩義を感じているかも。審査で検察の肩を持ち、審査員の判断を誘導した可能性もある」と疑う。

審査補助員はどんな役割を果たすのか。20095月から検察審査会が2回続けて起訴相当と議決すると、不起訴事件も強制起訴される制度に変更。起訴権限の付与に当たり、事務局が重要と判断した事件の審査では、弁護士を審査補助員に就けることになった。

審査補助員は審査員の質問に答えるだけで、議決には参加できない。それでも、一定の方向に誘導できるのか。

審査員経験のあるフリーライターの小松克彦さんは「ある程度はできると思う」と続ける。審査補助員が参加した審査の経験はないものの、通常の審査でも検察審査会の事務員が補助を務めるという。

「事務員は裁判所の書記経験者。『書類にこうあります』とか、判例や別の事件で起訴された例を説明する。それで流される審査員もいる」

起訴相当の議決には、審査員11人中、8人の賛成が必要だ。4人が躊躇(ちゅうちょ)して反対すれば、不起訴不当になる。小松さんは「人を裁判に導くかもしれないのだから、優秀な人の判断に従おうと思う人もいますよ」。

審査はどうだったのか。元検察幹部の「ヤメ検」弁護士は取材に「法律に守秘義務が書いてあって何も答えられない」としか話さなかった。

鳩山由紀夫元首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件の不起訴審査で、審査補助員を務めた神洋明弁護士は「元検事による虚偽の捜査報告書作成事件は、政治的な意味合いを持っている。検事正まで務めた人が、審査補助員をしたことが公正か、議論になって当然だ」と言う。

最高裁広報課によると、制度開始から11年末までに審査補助員を務めたのは79人。神氏は「自分の発言が法律家の意見として、何らかの影響を与えていないか、みな苦労している。仕方によって誘導はあり得なくない」と話した。

元検事の山本憲光弁護士は「ヤメ検」弁護士について、「処分は昔の話で、検察に借りがあるわけではない。審査への影響はなかったのでは」とみる。「人権派と呼ばれる弁護士の方が、偏りを疑われる可能性もある。刑事事件に詳しい検察出身者に審査補助員を任せることは悪くない。ただ、この人物を推薦した東京弁護士会は経歴を調べなかったのだろう」

法律に決まりはないが、検察審査会事務局が審査補助員が必要と判断すると、地元の弁護士会に弁護士の推薦を依頼する。東京では、東京、第一東京、第二東京の3弁護士会が持ち回りで依頼を受ける。今回、「ヤメ検」弁護士を推薦したのは東京弁護士会だった。1893(明治26)年に設立され、約7000人の弁護士が会員となる日本最大の弁護士会だ。

会員の山下幸夫弁護士は「公正を疑われるような人をわざわざ推薦したこと自体が間違い」と批判した。山下氏は毎年末、審査補助員の研修で講師を務めている。

審査補助員の対応が疑われたケースは以前にもある。小沢氏の一度目の「起訴相当」を議決した東京第五検察審査会の審査補助員は自民党幹部と親しい弁護士だった。推薦したのは同様に東京弁護士会。この弁護士が補助して作成された議決書には「絶対権力者である小沢氏」 「市民目線からは許し難い」など感情的な文言が並んだ。この弁護士は事務所を通じ、「取材はお断りしている」と回答した。

前出の市民の会は、東京弁護士会に、審査補助員の推薦基準を質問したところ、「適切かつ公正に手続きをしている」としか回答しなかった。再度、選考過程の説明を求めたが、審査補助員候補者推薦名簿の会員数が「138名」としただけで、「弁護士自治にもかかわる」と拒否された。

「こちら特報部」は東京弁護士会に非公開の理由を尋ねたが、検察審査会を担当する木田卓寿副会長が「弁護士会にはいろいろな推薦依頼が来るが、どのように決めているか対外的にお話ししていない」と答えた。

東京弁護士会は、外部だけでなく、内部にも選考過程を公開していない。会員の山下氏は「透明性を求められているのに、誰が人選をしているかも分からない。弁護士の不祥事も続いており、市民から批判を浴びる」と心配する。

他の弁護士会はどうか。大阪弁護士会の小林正啓弁護士によると、同会では依頼を受けた推薦委員会が、犯罪被害者委員会に諮問し、事件ごとにふさわしい審査補助員を選ぶという。

札幌弁護士会の猪野亨弁護士は「東京弁護士会の態度はおかしい。弁護士自治は国家権力の介入を拒絶するもので、市民からの質問を拒否する理由にならない。市民から弁護士に自治は不要だと言われかねない」と危惧を口にした。


[デスクメモ]
ヤメ検とは検察官OBで、主に弁護士で活動する人を呼ぶ。特捜部などでらつ腕を振るい、退官後は大型事件の弁護で登場し、時に古巣と戦ったり、一部に不祥事絡みで転落する人も。少し嫌みなニュアンスがあり当事者は迷惑だろうが、「正義」よりも「権力」の番人だったという庶民の思いもある。(呂)


201363日 東京新聞 こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013060302000119.html



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