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2013年6月26日 (水)

気になるニュース 118

 

監視社会になるのかな・・・
引用書き起こし開始。 

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*異例の記者書類送検 真相に迫る取材が… 


パソコン遠隔操作事件に絡み、取材目的でメールの発信元にアクセスした共同通信と朝日新聞の記者が不正アクセス禁止法違反容疑で異例の書類送検になった。政府は通信履歴の保存などサイバー犯罪対策の強化を検討している。巧妙、複雑化するサイバー犯罪の対策は重要だが、権力側の恣意(しい)的な運用で「通信の秘密」が侵されかねない危険性は常に存在する。(出田阿生、小坂井文彦) 


◆不正接続 実害なしでもダメ
 

「不正アクセス禁止法違反の犯罪は成立しない」(朝日新聞)「事件の真相に迫るための取材行為だった」(共同通信)。
 

記者が書類送検された両社は犯罪性を否定するコメントを発表した
 

では、一体、何が法律違反に問われたのか。事件の経緯を振り返ってみると─。
 

「私が犯人です」。こんな題名のメールが昨年10月、ネット上のトラブルに詳しい落合洋司弁護士と、TBS宛てに送られてきた。パソコン遠隔操作事件で、それまでに逮捕された男性4人は冤罪(えんざい)で、自分こそが真犯人であるという「犯行声明」だった。
 

犯行声明は無料メールサービスを利用して送信されていた。利用者本人の了承を得ずに他人が勝手に送信元のコンピューターのサーバーにアクセスすると、不正アクセス禁止法違反に問われる。
 

このサービスを利用するには、本人確認のためにパスワードの入力が必要だ。だが朝日や共同の記者は、サーバーにアクセスし、送受信記録などを閲覧していた。なぜ本人しか知らないパスワードが分かったのか。実は犯行声明には、犯行に使ったとされる別のメールアドレスやパスワードが記されていた。記者らが試しにそのパスワードを入力したところ、犯行声明に使った無料メールサービスのパスワードと合致したとみられる。
 

警視庁などの合同捜査本部がサーバーへのアクセス履歴を調べたところ、「真犯人」のアクセスのほかに、朝日や共同の記者がアクセスしたとみられる痕跡が残っていたため発覚。共同の記者2人と朝日の記者3人が書類送検された。
 

共同の石亀昌郎・社会部長は「形の上では法律に抵触する可能性があるが、事件の真相に迫るための取材行為だったことを捜査当局に説明し、理解してもらえたと思う」とのコメントを発表。
 

朝日の森北喜久馬・東京本社社会部長は「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考える」と主張。送り主は「真犯人と証明されることを望んでいた」などとして、「顧問弁護士と検討した結果、不正アクセス禁止違反の犯罪は成立しないことが明らか」とした。
 

警視庁は、「結果的に捜査上の支障はなく、取材が目的で悪質性は高くない」としている。しかし、不正アクセス禁止法は、たとえ実害がなくても罪に問われる。
 

ネットの問題に詳しい岡村久道弁護士は「偶然パスワードが一致してアクセスできたとしても、犯人が閲覧を承諾していたとまで言えるかは疑問が残る」とする。ただし、「報道機関として誤報を避けようとした意図は理解できる。犯人が報道機関を挑発していた可能性もある」と理解を示す。
 


◆ネット履歴 保存義務化検討
 

一方で、サイバー犯罪は確かに増加している。警察庁のまとめでは、昨年1年間で全国の警察が摘発したサイバー犯罪は7334件。前年比約28%の増加で、統計を取り始めた2000年以降で最多となった。
 

日本はサイバー犯罪条約に参加し、116月には刑法などが改正された。コンピューターウイルス作成罪の新設が柱だったが、通信履歴の保存をインターネット接続業者に求めることも可能となった。令状が必要で、捜査機関は接続業者に対して最長で60日間、通信履歴を保存させることができる。
 

パソコン遠隔操作事件などをきっかけに、政府はサイバー犯罪対策の強化に取り組んでいる。その中で、この通信履歴の保存を接続業者に義務付けようという動きがある。自民党の治安・テロ対策調査会は、サイバー犯罪対策として、法律で通信履歴の保存を接続業者に義務付けることを提言した。警察庁が義務化を強く求めており、期間の目安は1年間だという。
 


◆国民の監視強化と批判も
 

だが、長期の網羅的な履歴の保存は、憲法で保障された「通信の秘密」を侵す恐れや、監視社会につながるとして批判も強い。総務省は現在、個人情報の保護の観点から履歴の速やかな消去を業者に指導している。
 

「一部の犯罪者のために、全履歴を長期に保存するのはやり過ぎ」という意見のほか、接続業者が大量のデータを保存しなければならなくなれば、コストの増大で接続利用料が上がり、消費者負担も増すことを危惧する声もある。
 

政府の情報セキュリティ政策会議(議長・菅義偉官房長官)が今月10日にまとめた「サイバーセキュリティ戦略」では、履歴の保存について「義務」という言葉は使わず、「保存のあり方を検討する」という表現にとどめたが、今後、政府内で議論されることになる。
 

社団法人「日本インターネットプロバイダー協会」の木村孝・行政法律部会長は「大手の業者は現在でも履歴の一部を3カ月程度保存している。サイバー空間の安全のため、政府からの要請があれば、1年間の保存にも応じるだろう。EU(欧州連合)では半年~2年間の保存を義務付けている。ただ、EU内でも長すぎるという批判もあるので慎重な対応が必要だ」と話す。
 

サイバー大学の園田道夫准教授が心配するのは、犯罪者による履歴の改ざんだ。「履歴の改ざんがないか常にチェックする必要が出てくる。過度に履歴に頼って捜査を進めると、再び冤罪を生む危険性がある」と指摘。「それでも、長期間、履歴を保存するべきなのか慎重な議論が必要だ」
 

情報ネットワーク問題に詳しい成城大学法学部の指宿信教授は「長期の保存については、記録がなかったために捜査に支障が出た事例や、外国の捜査共助要請に応えられなかった事例などを開示して、議論を深める必要がある」と話し、こう警告する。
 

「やみくもに長く保存を義務付けることは監視の強化とも受け取られ、国民の不安感を増すことになるだろう」
 


[デスクメモ] 
記者は真相に迫るために、取材を尽くすのが使命だ。もし、自分がその立場だったら、接続を試みたかもと思う。一方でネット犯罪と通信の秘密のせめぎ合いは激しくなっている。米国ではテロ対策の名の下に、いとも簡単に個人情報が収集されていた。日本でもその日が来ないとは、言い切れない。(国)


2013626日 東京新聞 こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013062602000165.html

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