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2013年6月17日 (月)

気になるニュース 104

 

Web記事に載らないのかな?カラー図解でわかりやすいのでぜひ本紙で。
引用書き起こし開始。 

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*東電福島第一原発の汚染水漏れ事故 


東京電力福島第一原発で4月に起きた、地下貯水池の汚染水漏れ事故は、貯水池にたまっていた大量の汚染水を全て地上タンクに移す作業が今月、終了したことで、ようやく一区切りついた。しかし汚染水をめぐる本質的な問題は、一向に解決していない。(原発取材班・小野沢健太)


◆なぜ起きた/安易な貯水池利用

3枚の遮水シートを施しただけの、いつ水漏れするか分からない池に、約24000トンもの汚染水─。移送終了は、福島第一原発が抱える問題の一つが解消されたにすぎない。

池は本来、汚染水をためるためのものではなく、新たな除染装置を導入し、可能な限り放射性物質を除去した水を入れるためだった。原子炉を冷やした後の高濃度汚染水から既存の除染装置でセシウムを除去し、さらに新装置でストロンチウムなども除去。池に入れるのは、トリチウムだけが残った水になるはずだった。

東電は新装置が稼働すれば、処理水は海へ放出できると勝手に甘い見通しを立て、地上タンクの増設を最小限にとどめた。

初めて導入する装置にはトラブルがつきもので、いくら処理を重ねても、地元漁業者らの納得が得られるかどうかも分からない。東電は「もしも…」を想定し、地上タンクの増設をきちんと進めて当然だった。

だが、新装置は、処理で発生する放射性廃棄物を保管する容器の安全性に問題が見つかり、稼働は延期。昨年末の段階で、年明け早々にはストロンチウムなどが残る汚染水をためるタンク不足が確実になった。そして安易に池へ汚染水を入れ、今回の水漏れ事故が起きた。

4月の水漏れ発生から、現場は汚染水を緊急移送するため、冷却用のバックアップ用タンクまで動員。通常のタンク増設だけでも忙しいのに、移送用のタンクを突貫工事で造る事態に追い込まれた。

何とか汚染水を移送しないと、原子炉建屋地下にたまる高濃度汚染水の処理ができなくなり、原子炉冷却すら止まりかねなくなるからだ。

緊急移送で池からの水漏れの心配はなくなったが、汚染水は毎日約400トン増える。高さ10メートルもあるタンクを1週間に3基造り続けないと、ためきれない計算。厳しい状況が続く。


◆今後の課題/漏水対策 廃炉の前提

福島第一原発の事故が収束したといえるのは、廃炉が実現し、放射性物質がまき散らされないことが確実になった時。廃炉を実現するには、汚染水の問題に決着をつける必要がある。

廃炉で最も難しいのが、溶け落ちた核燃料の取り出しだ。取り出し作業は、遠隔操作の機器で行うが、現状では核燃料はおびただしい放射線を放ち、熱も発している。この状況では、原子炉のふたを開けることはできず、廃炉も進まない。

原子炉外側の格納容器を水で満たし、内側にある圧力容器や溶けた核燃料を水漬けにすることが必須になる。

現状では、格納容器の下部が損傷し、冷却水が建屋地下に漏れ出てしまうため、水を張ろうにも張れない。損傷部分を特定して漏れを止めることさえできれば、廃炉への道が大きく開ける上に、建屋地下に流入する地下水と高濃度汚染水が混じり、汚染水量が増える現在の連鎖も断ち切れる。そうなれば、地上タンクの増設も必要なくなり、人員も資材も原子炉本体に集中できるようになる。

ただ、現実は厳しく、ロボットによる格納容器の損傷部分探しは進んでいない。建屋地下に特殊なコンクリートを流し、損傷部分を固める補修方法もまだ実験段階で、実際に使えるかどうかは未知数だ。

格納容器の補修に向けた努力と、建屋地下への地下水の流入を減らす努力、さらには汚染水や放射性廃棄物を確実に保管する努力を同時並行で進めるしかない。汚染水タンクも、ほとんどがボルト締めでつなぎ合わせた簡易構造で、3年後にはゴム製の止水材が耐用年数を迎え、改修ラッシュに突入する。

政府・東電は、溶けた核燃料の取り出しの前倒し計画案を発表するなど宣伝に躍起になっているが、現実は甘くない。甘い想定が状況をさらに悪化させることを、今回の水漏れ事故からもっと学ぶべきだ。



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2013
617日 東京新聞朝刊 ニュースがわかるA to Z より



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