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2013年5月31日 (金)

気になるニュース 73

 

自民党の改憲草案と合わせて考えると、うさんくささ倍増・・・
引用書き起こし開始。 

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*自民などの児童ポルノ禁止法改正案 「表現」侵す現代の焚書か 


「このままでは焚書(ふんしょ)のような事態になる」。自民、公明、日本維新の会の3党が共同で提出した児童買春・ポルノ禁止法改正案に対し、出版社や漫画家などが激しく反発している。画像などを所持しただけで罰せられる可能性がある上に、憲法で保障された「表現の自由」をも侵しかねないからだ。改正案が抱える数々の問題点とは。(中山洋子、出田阿生)


「他国に類をみない独自のマンガ文化を育んできた日本の貴重な文化的土壌が、危機的に変質させられる可能性が非常に高い」

児童買春・ポルノ禁止法改正案が国会に提出された29日、社団法人日本漫画家協会(ちばてつや理事長)は、改正案を強く批判する声明を出した。言論を弾圧するために、書物を焼き捨てる「焚書」のような事態を強いる法律とまで断じている。

日本雑誌協会や日本書籍出版協会も「自動の保護をうたいながら、実態は表現の自由を規制する方向に進んでいる」などと反対声明を出した。

日本の漫画やアニメなどを海外に発信する「クールジャパン戦略」が政府主導で進められているが、その足元で作家らは「文化の危機」を訴えている。

現行の児童ポルノ禁止法では、実在する18歳未満の児童を被写体とした画像や写真などを製造したり、提供したりすると処罰の対象となる。

改正案では、個人的に持つ「単純所持」を禁止する規定を新たに盛り込んだ。「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持、保管すると、1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科す。罰則の適用は1年猶予されている。

また、インターネットの事業者には、児童ポルノの所持などを防止するため、捜査機関への協力などに努力するよう促す規定もある。

さらに法案では、「検討規定」として、漫画やアニメ、CG画像などを「児童ポルノに類するもの」と名指し。自動への権利侵害との関連を調査研究し、法改正後3年をめどに「必要な措置」をとることを決めた。

◆議員「大人の良識の範囲」

提出した一人で自民党の西川京子衆院議員は「今の漫画やアニメには、びっくりするほど過激な性表現があふれている。大人の良識の範囲で、子どもを守るための規制は必要」と主張。「検討規定」については、「子どもが被害者となる性犯罪に、漫画やアニメの影響があるかどうかを調査・研究しようという提案にすぎない。表現の自由を規制する意図はない」と強調する。

児童ポルノ禁止法は1999年に議員立法で成立した。「日本は規制が緩く、児童ポルノ大国だ」と海外から非難を浴びていることも背景にあった。2004年に一度改正され、その後、08年、09年、11年と改正案が出された。「単純所持」を罰する規定を盛り込む動きは当初からあったが、いずれも成立しなかった。

摘発件数も増え、警察庁のまとめでは、昨年の児童ポルノの製造や提供の摘発は前年比9.7%増の1596件に上っている。

◆主観で判断 容易に捜査の道具に

作家たちも子どもを虐待する児童ポルノを規制すること自体に、異論を唱えているわけではない。だが、この改正案には、問題点があまりに多いというのだ。

日弁連・刑事法制委員会事務局長の山下幸夫弁護士が問題視するのは、改正案での規定があいまいなため、捜査機関が思いのままに使える道具ができるという点だ。例えば、ウイルス感染によって児童ポルノの画像を知らない間に自分のパソコンに取り込んでしまった場合。それでも捜査機関は、そのことを家宅捜索や別件逮捕の口実にできる。

改正案では、「自己の性的欲求を満たす目的」で児童ポルノを所持すると罰せられるとしているが、実際に判断するのは警察や検察、裁判官などで、個々の主観にゆだねられる。

本来、法改正前の違反であればさかのぼって処罰はされない。しかし改正案のように「単純所持」となると、「現在も持ち続けている」という解釈で、過去に入手した書籍などが取り締まり対象になる危険もある。1年の猶予の間に「焚書」を強いるものだと批判がある。ネット事業者への努力義務も通信の秘密を侵すことにつながりかねない。

もう一つの大きな問題は、実在する実写の児童ポルノだけでなく、想像力の産物である漫画やアニメにまで範囲を広げようとしていることだ。

これに似た規制をめぐり、議論が沸騰したのが、2010年の東京都青少年健全育成条例改正案問題だ。漫画やアニメなどの登場人物が18歳未満に見える場合を「非実在青少年」と命名し、近親相姦(そうかん)や強姦(ごうかん)などの性描写をした場合「不健全図書」に指定して規制しようとした。

「実在しないキャラクターの年齢を判断するのは、荒唐無稽。表現の自由を侵害する」と出版界などから猛反発を受け、結局は「非実在青少年」の文言を削除した修正案が都議会で可決された。「現在も架空の登場人物の『年齢』に基づく規制はしていない」(都の担当者)といい、不健全図書に指定されたケースもない。

作家で漫画研究者の幸森軍也氏は「日本の漫画やアニメの文化の豊かさは世界で有数だが、こんな改正案が通れば、壊滅的な影響を受けるだろう。クールジャパンどころの話ではない」と話す。

表現規制に詳しい曽我部真裕・京都大大学院教授(憲法)は「受け取る側」への一定の規制に理解を示しながらも、改正案は問題が多すぎると指摘する。「児童ポルノ」の定義があいまいで「この現状で『単純所持』を禁じては、乱用を危ぶまれても仕方がない」という。「どこの家にでもありそうな子どもの入浴や水遊び写真も、児童ポルノに該当しかねない」からだ。

検討規定についても「児童ポルノ禁止法は、あくまで実在する子どもを性的虐待や苦痛から守るのが目的。漫画などに描かれた架空の子どもの被害は『児童ポルノに類する』ものではない。法の本来の目的からずれている。根拠のないことのために、表現の自由を規制すべきではない」と批判する。

自民党の改憲草案では、表現の自由について、「公益及び公の秩序を害することを目的とした」場合には、認められないと規定。表現の自由を規制する規定をあえて盛り込んでいる。

幸森氏は言う。「出版社も商売である以上、危険は冒せないので、自主規制が厳しくなる。多様な作品が生まれる土壌がなくなっていく。それよりも、児童を保護することが目的なら、まずは実在する子どもの被害防止に積極的に取り組むべきだ」


[デスクメモ] 

ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンはどうなるのか。ロボットのドラミちゃんは? そこまで心配するのは、極論でしかないというだろう。だが、自民党の改憲草案を読めば、表現の自由を、いったん規制すれば、際限がなくなることが容易に想像できる。草案は多くのことを示唆している。(国)


2013531日 東京新聞 こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013053102000141.html




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