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2013年5月27日 (月)

気になるニュース 66

 

図解がわかりやすいので本紙で見てほしい・・・
文章のみ引用書き起こし開始。 

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*ドイツ <脱原発宣言から2年> 


ドイツが、東日本大震災による東京電力福島第一原発事故を受け、「脱原発」の達成期間を2022年中へと前倒ししてから6月で2年になる。目標年限まで残り9年余り。1970年代にはじまった反原発運動から脱原発へつながる長い道のりを歩んできたドイツが挑む「エネルギー革命」の現状と課題をまとめた。(ベルリン・宮本隆彦)


◆原点は?── チェルノブイリ教訓

日本では政権復帰した自民党が「原発維持」の流れを強めている。「製造業を国内に引き留めるには原発の安くて安定した電気が必要」との言い分だ。

ドイツは日本以上に経済の輸出依存度が高いが、最近の世論調査で脱原発政策への支持は6割に上る。再生可能エネルギーの拡大による電気料金の高騰で賛成の割合は減ったが、脱原発の大方針は揺らいでいない。

国民合意の原点にあるのは1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故。放射性物質は1200キロ離れたドイツ南部に雨とともに降り注ぎ、牧草地などを汚染。規制値をはるかに超えた牛肉や牛乳が見つかった。

身近な「食の安全」が脅かされた事故の影響は大きく、翌年の連邦議会(下院)選挙では結党8年目だった反原発の緑の党が躍進。ドイツの脱原発は同党の党勢伸長抜きには語れない。

98年には社会民主党との連立で初めて政権入りし、再生エネの拡大と脱原発の路線を推進した。2000年には世界に先駆けて再生エネ固定価格買い取り制度を始め、02年には22年ごろまでの脱原発を決めた。

09年には、保守のメルケル首相が産業界の要請を受け、10年に原発稼働を平均12年延長したが、福島事故で急転回。3カ月余りで22年末までの脱原発を決めた。

素早い方針転換は再生エネの発電量が順調に伸びていたおかげ。ただ買い取り制度を導入した当初の6.6%から今日の20%強まで増やすのに13年かかった計算で、脱原発は息の長い取り組みが必要なことを示す。

日本より有利な事情もある。発電量の4割以上を占める石炭・褐炭の大部分が国産。陸続きの隣国とは送電網がつながっており電力の融通が利く。福島事故後に原発7基を止めた後もドイツは電力の輸出国だが、電力不足の場合は容易に輸入でき安定した供給体制が整っていることも脱原発を後押ししている。

◆課題は?── 電気料金の高騰抑制

脱原発を閣議決定や法改正で明確な国家目標に位置付け、実現に向けてクリアすべき課題もはっきりしてきている。

消費者の関心が最も高いのは、再生可能エネルギーの拡大に伴う電気料金の急激な上昇だ。太陽光や風力などを利用した発電はまだ技術革新の途上にあり、発電の費用が火力などと比べて割高。余分にかかる費用を「賦課金」として電気料金に上乗せし、消費者が広く薄く負担する仕組みが固定価格買い取り制度で、ドイツは2000年に導入した。

賦課金の総額は再生エネの拡大につれて右肩上がりに増大。12年には再生エネの発電割合が22%と過去最高になったことを受け、13年度の賦課金は1キロワット当たり0.0528ユーロ(約7円)と、前年の1.5倍に急増。電気料金は標準的な家庭で年間100ユーロも値上がりした。

政府は賦課金の上昇を抑えようと、126月には太陽光発電の買い取り額の引き下げや量の制限を実施した。アルトマイヤー環境相は「抜本的な改革で費用と便益のバランスをとる必要がある」と指摘。現在は賦課金を減免されている電力多消費企業の負担増を検討している。

こうした動きに対し、日本の経団連に当たるドイツ産業連盟のグリロ会長は「ドイツの競争力は危機にひんしている」と発言。産業界の負担を求める意見をけん制している。

再生エネの大量導入に伴い必要となる送電網の整備も課題。50年までに電力の80%を再生エネで賄う計画では、強い風を利用できる北海やバルト海での洋上風力発電が主役となる。

一方、電力の消費地は自動車やハイテク産業が集積するミュンヘンやシュツットガルトなどの南部にある。北部で発電した電気を南部へ送る高圧送電線の建設は計画達成に不可欠だが、景観や電磁波の健康への影響を懸念する予定地住民の反対で計画には遅れが目立っている。


◆脱原発をめぐる動き(写真はAPAFP・時事、弓削雅人撮影)

[1970年代] 反原発運動の激化、全国化

[1979] 米スリーマイル島原発事故

[1986] 旧ソ連チェルノブイリ原発事故

[1998] 
地域独占の廃止など電力市場自由化
中道左派の社会民主党シュレーダー政権誕生。反原発を掲げる90年連合・緑の党が連立で初めて政権与党に。

[2000] 
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入
政府と電力事業者が原発を段階的に閉鎖する「脱原子力合意」を交わす

[2002]
原子力法改正。稼働年数を32年と定め、原子炉ごとに発電許容量を割り当てる。この結果、2022年ごろの全原発停止を見込む

[2005] 保守系のキリスト教民主・社会同盟メルケル政権誕生。社民党と大連立

[2009] 第2次メルケル政権誕生。社民党との連立解消。エネルギー政策見直しへ

[2010] 原発の稼働年数を平均12年延長

[20113] 東日本大震災、東電福島第一原発事故

[20116] 全原発の2022年末までの停止を決定

[20131] 電気料金高騰でアルトマイヤー環境相が再生エネ買い取り制度の見直しを表明


2013527日 東京新聞朝刊 ニュースがわかるA to Zより






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