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2013年5月23日 (木)

気になるニュース 59

 

Web記事で読めないのは残念・・・
引用書き起こし開始。 

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*「3分の2」 憲法海外事情(1) 米国・「男女平等」明記


◆難関こその正当性 

米国の女性運動家アリス・ポールが最後の夢に走りだしたのは、1923年、彼女が38歳のときだ。 

議論に72年を費やした女性の参政権が20年に認められ、次に合衆国憲法への「男女平等」の明記を目指した。米女性解放運動の発祥地、ニューヨーク州セネカ・フォールズでの演説。ポールは自ら書いた男女平等修正条項(ERA)の草案を、決意を込めて読み上げた。 

「合衆国および各州は性別のいかんにかかわらず、法の下の平等を否定もしくは奪ってはならない」 

全米から集まった運動家が総立ちになり、ERAはこの年、連邦議会に提出された。しかし、発議さえかなわなかった。「本当の闘いはこれから。長丁場になる」。周囲にそう話していたポールは77年、成立を見ないまま92歳で亡くなった。演説から90年の今も、日本の改憲に当たるこの条項の修正は実現していない。 

夢に立ちはだかったのは、合衆国憲法の修正ルールの壁だった。発議に必要な要件は、上下両院の「3分の2」以上の賛成。米議会は保守とリベラルの対立だけでなく、人種問題や宗教上の価値観が複雑に絡み合っている。国の理念に直結する憲法改正は、とりわけ議論が慎重になる。 

それでも風穴があくチャンスがあった。女性解放運動のウーマンリブが全米に吹き荒れていた72年、首都ワシントンなどで起きた大規模デモに押され、両院の賛成が初めて「3分の2」を超えた。「熱に浮かされたようだった」。街頭で「平等」を叫んでいた全米ERA同盟会長サンディー・オスットライク(78)は、当時を振り返る。 

ERAは発議後に必要な全米50州議会の「4分の3」の批准を得られず、82年に期限切れで廃案になった。それでも毎年、連邦議会に提出されている。 

ニューヨーク州選出の民主党下院議員キャロリン・マローニー(67)は今年も提案する。「3分の2が難しいことは分かっている。でも、厳しいから緩和した方がいいという話は聞いたことがない」 

米国の世論には、前国務長官ヒラリー・クリントンに初代女性大統領を期待する声もある。そうした時代に見合う憲法に修正するために、「男女平等」を明記する必要性を正面から訴え続ける姿勢だ。 

日本では安倍政権が改憲の発議要件を衆参両院の「3分の2」以上の賛成から「過半数」に緩めると主張している。しかし、テネシー州バンダービルト大の法学教授ジョン・ヘイリーは「米国では受け入れられない」と即座に言い切る。 

「憲法は修正することが難しい。その難しさを乗り越えたものにだけ、正統性が与えられる」 

ポールの夢を受け継ぐ議員たちも、修正の難しさと重さを知っている。だからこそ、米国民は憲法に絶大な信頼を置いている。=文中敬称略(ニューヨーク・長田弘己、写真も)

 
 

安倍晋三首相は「憲法改正」を夏の参院選の主要争点に挙げた。改憲ルールを定めた96条の先行に意欲を見せるが、現行規定の「3分の2」の価値と重さとは何か。海外と国内の目で考える。 


[米国の憲法修正] 

合衆国憲法(1788年発効)の修正には、上院下院それぞれで「3分の2」以上の支持を得た後、全50州の「4分の3」の38州が各州議会で批准することが成立要件となっている。年間平均200件の修正案が議会に提出され、累計は1万件に上る。実際に修正が成立したのは権利章典の10件を含む27件。


2013522日 東京新聞朝刊より 



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