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2013年5月14日 (火)

気になるニュース 45

 

たまには他の新聞も。
引用開始。

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*東電役員に並ぶ「異端者」 にじむ危機感(真相深層)


東京電力が昨年7月に実質国有化して初めての役員人事が固まった。会長の下河辺和彦(65)、社長の広瀬直己(60)ら取締役はほぼ動かなかった。無風にみえるが、目をこらせば「事故前の体制には戻らない」という経営陣の意思が浮かぶ。


■火力部門に衝撃

福島第1原子力発電所の使用済み燃料プールの停電に揺れていた3月19日。東電は4月からの社内分社と各カンパニーの幹部人事を発表した。

小売りカンパニーの副社長・執行役員となった佐藤梨江子(48)に関心が集まり、「東電初の女性役員」と話題を呼んだ。だが社内の一部に衝撃を与えたのは燃料・火力カンパニーの副社長・執行役員に可児行夫(49)が就いた人事だった。

可児は海外から天然ガスを買う燃料部門が長く、直近は東電が投資した豪州ガス権益の運営会社に出向。ある若手は「良くも悪くもリスクを取る人」と評する。経営陣は可児に「自前主義が強く保守的」とされる火力部門の改革を期待する。

「改革に協力したい」。2011年冬。可児は何人かの親しい部下を伴い政府の原子力損害賠償支援機構を訪れた。手にしていたのは東電の改革案。いま原賠機構は東電の過半数の株式を握るが、国有化を避けたい東電は当時、原賠機構と鋭く対立していた。

そのさなかの可児の動きは当時の経営陣に弓を引く行為と映ったはず。国有化後、新経営陣は可児を経営の中枢で処遇しようとしたが、社内の反発に配慮して見送ってきた。可児の登用は前会長の勝俣恒久(73)が日本原子力発電の取締役から退く人事と併せ旧体制との決別を象徴する。

原子力部門のナンバー2となる常務執行役に、原子力設備管理部長の姉川尚史(56)を抜てきした人事も波紋を広げた。

原発の技術者である姉川の経歴は異色だ。原子力部門の中枢から技術開発研究所に転じて電気自動車(EV)の普及に奔走した。EVの充電方式で世界標準をめざす「チャデモ協議会」の事務局長を務め、むしろ自動車業界で名が通る。

事故を受け原子力部門に戻った姉川に転機が訪れたのは昨年3月。原発のストレステストの報告書で、東電は239カ所もの誤りが見つかった。

「なんでこんなに間違えるんだ!」。問いつめた原賠機構の幹部に姉川は平然と答えた。「従来のように原子炉メーカーに任せればミスはゼロだがそれではダメ。自分たちの手でやるのが大事だ。私は会社の文化を変えたい」。姉川を原子力改革の要にあてる構想はこの時に固まった。

東電が設けた「原子力改革監視委員会」の事務局を率いると、昨年10月の初会合で「事前に必要な津波対策を取ることは可能だった」とする見解をまとめ、対策の不備を初めて認めた。姉川は「会社の見解は変わった」と発言。OBから「裁判でどうなると思っているんだ」と責められても意に介さなかった。

■ミスター新事業

東電の関連会社でデータセンターを運営するアット東京(東京・江東)。副社長の清水俊彦(57)は今月、09年に退任した執行役員に再び就いた。肩書は「新成長タスクフォース事務局長」だ。

社内での清水のあだ名は「ミスター新事業」。システム部門出身でパワードコムなど通信事業をてがけてきた。アット東京に転じても事業を拡大し、12年に過半数の株式を333億円でセコムに売却した。国有化後の資産売却の成功例だ。

東電は23年度までに全2700万世帯にスマートメーター(通信機能付きの電力計)を配備する方針。清水はスマメで集める膨大な情報を生かした新事業に挑む。

可児、姉川、清水の3人はいずれも社外で経験を積んだ。ある社外取締役は「子会社に行っている人を登用しろ。そのほうが経営マインドがある」と指示していた。

東電の再建は厳しさが増す。地域独占、総括原価で守られた電力制度が揺らぎ、原発の事故後は人材の流出が続く。異端者も取り込んだ改革を進めなければ、生き残りの道は開けない。=敬称略(原田逸策)


2013514日付 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55009280U3A510C1EA1001/



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