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2013年5月 8日 (水)

気になるニュース 38

 

そんな公約いらんがな。
引用書き起こし開始。

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*チェック改憲 国民投票法、「3つの宿題」置き去り 96条先行は本末転倒


安倍晋三首相は、改憲要件を緩和するための憲法96条改正を参院選の公約にすると表明した。手続きの一環である国民投票法は、制定時、成人年齢の引き下げなどの「3つの宿題」が課せられたのに、いまだに解決していない。国民との重大な「約束」が、果たされないまま、改憲論議だけが先行している。(上田千秋、荒井六貴)


◆第1次安倍内閣で成立

憲法96条は、改憲について、衆参各院の3分の2以上の賛成で発議され、国民投票で過半数の賛成が必要と定めている。この国民投票の手続きを具体的に定めたのが、国民投票法だ。

1次安倍内閣時代の20075月に成立し、105月に施行された。本則で、原則18歳以上に投票権を与えるとしている。

付則では、①成人年齢や選挙年齢についても同じく、18歳以上に引き下げる ②公務員が憲法改正の是非を自由に論じられるようにする政治的行為の規制緩和 ③国民投票の対象を憲法改正以外にも広げるか検討すると明記した。これらは、「3つの宿題」と呼ばれている。

①と②は、法施行までに実現し、③については法施行後、速やかに実施しなければならないと規定していた。①が実現するまでは、改憲の国民投票の年齢も20歳以上とする経過措置も付則に盛り込まれている。ところが、法施行後、3年もたっているのに、3つの宿題に関する具体的な議論は一向に進んでいない。


①成人18歳以上に

世界では成人年齢を20歳とする方がむしろ少数派だ。2008年の国の調査では、18歳(16歳と17歳を含む)を成人とするのは141国・地域に上る。

改憲の議論にはなるべく多くの国民の意志を反映した方がよいなどの理由で、国民投票法では、投票年齢を18歳以上に引き下げることが盛り込まれた。

だが、国民投票に合わせて、成人年齢を引き下げるには、民法の改正が必要になる。法相の諮問機関「法制審議会」は0910月、「18歳に引き下げるのが適当」と答申したものの、政府は「幅広い影響がある」(当時の千葉景子法相)として国会への改正法案提出を見送っている。

民法だけでなく、関連する法令は数多い。「成年・未成年」 や 「20歳」など年齢基準を設けている法令は計約300あり、全ての法令を見直す必要に迫られる。

さらに、社会経験が未熟な1819歳の若者が悪質業者のターゲットにされる危険性や、ニートや引きこもりなど自立困難な若者が親の保護を受けにくくなり困窮する恐れなどが指摘されている。

日本弁護士連合会も当時「引き下げは慎重であるべきだ」との意見書を発表。「現状では消費者被害に対する適切、有効な対策が見いだせない」 「何歳以上を『成年』とするのか、国民的なコンセンサスが成り立っていない」と主張していた。

民法改正には、法務省内や保守系議員などに反対意見が根強い。

選挙権年齢の引き下げには、公職選挙法の改正が必要になる。

自民党は、国民投票の投票年齢は18歳以上に引き下げ、一方で付則が求めた成人年齢と選挙権年齢の18歳以上への引き下げは先送りする国民投票法改正案を検討している。

しかし、成人年齢や選挙権年齢を20歳のままにして、国民投票の投票年齢だけを18歳以上に引き下げてしまっては、整合性がとれないとして批判が起きるのは必至だ。

②公務員の規制緩和

「国民が自由に議論ができてこそ、憲法改正を論じることができる。公務員であっても改憲の議論さえできないのは、おかしい」。そう話すのは、上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)だ。

付則では、公務員が改憲の賛否勧誘や意見表明をすることが制限されないよう法整備を求めている。しかし、この「宿題」もまったく議論は進んでいない。

現行の国家公務員法では、国家公務員の政治的行為を禁じている。禁止されているのは、機関紙発行や配布、署名活動、拡声器を持って意見表明することや、音楽や演劇まで及ぶ。例えば、改憲に反対を唱える朗読会に出演しても、罪に問われる可能性がある。

地方公務員も、罰則はないが、地方公務員法で政治団体の結成や勧誘活動が禁じられている。日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長は昨年7月、市職員の政治活動を厳しく制限する条例を制定した。上脇教授は「職務専念義務がある勤務中や、自分の地位を利用して投票行動を他人に強制するような例外的なケースを除き、公務外のプライベートでは、原則的に政治的行為を自由にすべきだ」と提案している。

③投票対象の拡大

付則では、国民投票の対象を改憲以外にも拡大することを検討するよう求めているが、これにも国会の動きはにぶい。

国民投票に詳しいジャーナリストの今井一氏は、「世界ではこれまで、1000件以上の国民投票が実施されている。日本の地方自治体でも400件以上の住民投票が実現している。国が国民投票をやろうと思えば、出来るはずだ」と主張する。

今井氏は「政策のパッケージで議員や政党を選ぶのが選挙で、単一の問題の是非を問うのは国民投票がふさわしい」と話す。

原発だけではなく、米軍基地、移民の受け入れなど国の重要政策にかかわったり、出生前診断や脳死、死刑制度など、一つの政党の中でも議論が分かれそうな倫理的な問題などもテーマとして想定できるという。

リトアニアでは昨年10月、新設原発の是非を問う国民投票と選挙が同時に実施され、国民投票では65%が原発に「ノー」を表明する一方で、選挙では原発に賛成する議員が多く当選したという。スイスでは、アルプスの高速道路建設問題や、性犯罪者が刑務所から出所するのを厳しく制限する問題などが、国民投票の対象になった。憲法で離婚を禁じていたアイルランドでは、国民投票の結果、離婚が合法化された。

「唯一の立法機関である国会の存在と整合性が取れないと言うならば、国民の意見を参考にするための諮問型にしてもよい」と話す。

  


現在の改憲論議は、「3つの宿題」を置き去りにしたまま進んでいる。自民党が、国民投票の投票年齢の引き下げだけを先行させ、成人年齢や選挙権年齢の引き下げを先送りしようとするのは、改憲に向けた環境整備の側面が強い。

愛媛大の井口秀作教授(憲法学)は「先に付則の議論を終わらせておくべきで、憲法改正ができそうだから付則も変えようというのは、全くの本末転倒だ」と批判する。

安倍政権は憲法96条改正を参院選の公約にすると明言しているが、井口教授はこう指摘する。

「参院選が終われば、96条改正に向けた動きを一気に進め、その一方で付則の方もいじるという流れを考えているのだろう。だが、公約だというのなら、まずは付則の議論をきちんとやるべきだ。その点を明確にせずに争点化するのはおかしい」


[デスクメモ] 

小学生だって、夏休みの宿題をやろうと努力はするものだ。夏休みの終わりにまとめてやろうとして、間に合わないことはある。それを夏休み前にさかのぼって、宿題の内容を変えてしまおうというのだから、虫のいい話だ。こんな教育を是としているような学校は、教育委員会が指導すべきだよね。(国)


201358日 東京新聞 こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013050802000158.html



 

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