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2013年4月24日 (水)

気になるニュース 22

 

「わざとらしさがない」・・・?
引用書き起こし開始。

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*巧みな安倍流 イメージ戦略


安倍首相ほどパフォーマンスによるイメージ戦略が巧みな政治家はいないのではないか。元気で、明るく、庶民的。なおかつ、流行にも敏感で、力強さもある…。そんなイメージを国民に与え、高い支持率につなげている印象もある。首相の数々のイメージ戦略を分析してみる。(小倉貞俊、林啓太)


「首相が突然、来たので緊張したが、優しそうで良かった」。20日、福島県南相馬市の中学生を首相官邸に招いた見学会。ある女子生徒はこんな感想を語った。

組閣時に閣僚が記念撮影を行う階段を生徒らが見学している時、安倍首相がサプライズで登場し、一緒に写真に納まった。歓声を挙げる生徒らに、首相は「夢の実現や地元復興のために頑張って」とエールを送った。

喜んでいる生徒には残念かもしれないが、これもちょっとした首相のイメージ戦略かもしれない。この日は土曜日だったとはいえ、首相の1日のスケジュールは厳重に管理されており、「たまたま」とか「サプライズ」というのは考えにくい。しかし、こうすることで大きな効果が得られる。意地が悪い言い方だが、首相には、忙しい時間を割いて、福島の子どものためにやって来てくれた「いい人」のイメージが残るのだ。

一橋大学の稲葉哲郎教授(社会心理学)は「中学生へのサプライズは、首相の優しい人柄を表現するパフォーマンスだろう」と指摘する。

福島、子ども、サプライズとなれば、メディアにも取り上げられやすい。首相はこの種の政治的パフォーマンスによるイメージ戦略を積極的に展開。明治学院大学の川上和久教授(政治心理学)は「首相官邸にはパフォーマンスのいい振り付け師がいる」と分析し、世耕弘成官房副長官、かつて小泉純一郎元首相の秘書だった飯島勲内閣官房参与の名を挙げる。

一口にパフォーマンスといっても実は難しい。特に政治家が国民に親しみを持ってもらおうとするパフォーマンスは失敗しやすいと、名古屋外国語大学の高瀬淳一教授(情報政治学)は語る。政治家に対し、国民の側に警戒感が生まれるためだ。しかし、安倍首相の一連のパフォーマンスは「今のところ、あざとさがなく、成功している」(高瀬氏)のだという。

埼玉大学の松本正生教授(政治意識論)によると、政治的パフォーマンスには大別すると、印象付けるためのものと、好感度を上げるためのものがある。既に支持率が高い首相は好感度を上げる必要はないため、「印象だけを狙っているので、過剰な演出に頼ることなく、自然で、うまい話題づくりに成功している」という。おそらく、首相のパフォーマンスはかつての健康問題を考えての対応からだろう。

昨年12月以降、官邸近くのホテル内のジムに定期的に通い、筋トレや水泳をしているほか、217日には、代々木公園内でジョギング。こうしたパフォーマンスで健康に問題がない人物としての印象を強める。一連のイメージ戦略はここから出発しているとみられる。

首相のパフォーマンスには有名人を絡ませるやり方もある。19日の「アジア文化交流懇談会」では、映画監督の北野武さんらと意見交換。就任わずか4カ月の間に、元横綱大鵬の故・納谷幸喜氏、元プロ野球選手の長嶋茂雄、松井秀喜両氏への国民栄誉賞の授与を次々と決めた。川上氏は「首相と有名人との会談などはテレビ的にも『絵』になり、取り上げざるを得ない。巧妙なやり方といえる」とみる。

流行を利用するのも首相の特徴かもしれない。20日の東京・新宿御苑での「桜を見る会」。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーに囲まれた首相は「Zポーズ」を見せた。もちろん、計算だろう。稲葉氏は「おそらく、ももクロの特徴的なしぐさなどを下調べして、披露したのではないか」と指摘する。

かつての首相がこんなことをすれば、「軽薄」と批判されただろう。しかし、フェイスブックなどで「若者文化」に積極的に触れるイメージを持つ首相は、「ももクロ」と並んでも、批判されにくい部分がある。

しかも「ももクロ」と並ぶことで首相はさらに良いイメージを手に入れることになる。稲葉氏は「ももクロと接することで、普通の人間としての印象が強くなる」と指摘する。政治家といえば、古くさい、国民、特に若者の気持ちが分からない、偉ぶっているなどのイメージが付きまといやすいが、首相はこうしたパフォーマンスで「普通の人間」としての印象を植え付けようとしているというのだ。

しかも、こうしたパフォーマンスにわざとらしさがないことも効果を上げる。例えば、1月、大ヒットした映画「レ・ミゼラブル」を鑑賞したパフォーマンスを考えてみよう。首相は12日に昭恵夫人と六本木の映画館で鑑賞。稲葉氏は「時代に遅れない政治家としてのイメージを出したかったのだろう」と指摘する。ただ、ここまでならば、普通の政治家。驚くのは、首相がその後のインタビューでさほどでもなかったとの趣旨の発言をしたことだ。

流行に敏感なところを見せたいだけの政治家であれば「泣きました」と言えば済む話。首相のパフォーマンスが巧妙なのは、あえて、「あれでは泣かなかった。そうそうDVDで『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を見てね。あれはなかなか…」と正直に感想を口にすることだ。計算かどうかは分からないが、これによって「正直に本音で語る人物」のイメージを強めている。

こうした柔らかい部分だけではない。首相は時に「攻撃的になる人物」のイメージも意識的に出している。首相は今月11日、自分のフェイスブックで前日の国会審議で討論相手になった民主党の枝野幸男前経済産業相を痛烈に批判した。「(枝野氏や民主党は)国民の所得を減らしておきながら、安倍政権の政策では所得は増えないとはよく言えたものだ」

3月には、首相が「東京裁判は勝者による断罪だった」と発言したことに一部のメディアが「米国からの批判もあり得る」と指摘した記事に対して「なんともトホホな記事内容」とかみついている。

自民党出身の歴代首相はどんなに批判されても、大人物に見せようと、簡単には感情を乱さない傾向にあったが、首相は逆で「ぶち切れる」。稲葉氏の分析は「こういう態度によって、自分の意思、こだわりを伝えている。ぶれない姿勢を示すために効果的なやり方だ」と語る。

川上氏は「支持者に応援してもらえるテーマを慎重に選んで怒りを表している」と指摘。怒るテーマも計算で決めているのだろうとみている。

このほか、自民党伝統型のパフォーマンスもある。安倍首相は昨年12月に続き、今月13日にも、東京・谷中の全生庵で約1時間、座禅を組んだ。かつて、中曽根康弘元首相もこの寺で座禅を組んだのは有名な話。稲葉氏は「保守の政治家としての安心感を国民に与える狙いがあるのだろう」と分析する。

ただ、こうしたやり方は高い支持率があるからこそ成立しているとの見方もある。前出の松本氏は「人気の高い今はなにをやってもポイントになる。支持率が落ちた時のパフォーマンスが国民にどう映るか。ここで真価が問われる」と強調した。


[デスクメモ] 

30年近く前の話。ある大物政治家が入院した。かなりの重い病気。それでも、番記者を病院の屋上に呼び出し、おもむろに体操を始めた。体調的にはそんなことをやっている場合ではない。命がけのパフォーマンスだ。政治家は自分のイメージを何よりも気にする。気の毒な商売とさえ思った。(栗)


2013424日 東京新聞 こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013042402000127.html

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