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2013年4月23日 (火)

気になるニュース 20

 

「真の『主権』は日本にあるのか」・・・
引用書き起こし開始。

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*28日「主権回復の日」 式典本土復帰の日こそ


大型連休の28日、安倍政権は「主権回復の日」の式典を初めて行う。61年前、占領が終わったサンフランシスコ講和条約の発効を祝うものだ。しかしその日、いまだ米軍基地全体の7割がある沖縄では1万人規模で抗議する「屈辱の日」大会を開く。そもそも真の「主権」は日本にあるのか。(林啓太、小坂井文彦)


1952年の講和条約発効の日は、沖縄にとって日本から切り離され、米国の施政下に置かれた「屈辱の日」だ。

県民の反発が増幅する今月3日、菅義偉官房長官は地元の2紙やテレビ局3社を10分程度ずつ足早に回った。どんなやり取りがあったのか。

沖縄テレビでは、宮城真一専務がただした。「式典には驚いた。県民の思いと歩んだ歴史を考えると、どうしてその日がお祝いの日なのかという思いは禁じ得ない」

これに対し、菅氏は「お祝いではなく、主権回復と国際社会復帰の記念式典の形にする」。

自民党は先の衆院選の公約で「政府主催で『主権回復の日』として祝う式典」としていたが、「祝意」は含まれない、との論理で応じた。

面談に同席した船越龍二報道制作局長は22日、取材に「『お祝い』を『記念』と言い換えても、県民の感情が和らぐことはない」と話す。

琉球新報では、富田詢一社長が「(沖縄が復帰した)72515日こそ主権回復の日だ」と指摘。菅氏は「沖縄に寄り添う形で式典を開きたい」と応じたが、松元剛編集局次長は「経済界のリーダーを含め、読者から『よくぞ言ってくれた』と好意的な反響があった」と明かす。

「『記念』とは反発を買ったから思いついた後付けの理屈。『政府は沖縄に配慮している』と本土の国民に印象づけようという作戦。沖縄のことなど考えていない」

官房長官が地元の報道各社を回るのは異例だ。

沖縄タイムスの武富和彦編集局長は「訪問の2日前に急に『訪問したい』と連絡があった。(報道各社を行脚して)普天間移設問題を中心に県民の声を聞いたという形にしたかった」とみる。

4日、菅氏は首相官邸の記者会見で「沖縄を含む日本が未来に開かれた行動をとっていくことを記念する式典」と開催をあらためて強調した。

一方、自治体の反応はどうか。沖縄タイムスが3月末までに41市町村の首長に聞いたアンケートでは、式典の開催自体に反対する首長が4分の3を占めた。残りは賛否を保留するなどで、賛成の回答はなかった。

那覇市は、式典の当日に「色で深い悲しみを表したい」として、紺色の布などで市庁舎を飾る方針。翁長雄志市長は「沖縄にとって428がどういう意味を持つか、政府は真摯に受け止めてほしい」と訴える。

式典は東京の憲政記念館で開催し、天皇、皇后、両陛下が臨席される。都道県知事らも招待されるが、仲井真弘多知事は出席せず、高良倉吉副知事が代理で出席する。

松元氏は「知事は、政府の顔を立てつつ県民の意向に配慮した。県議会内や支持基盤の自民県連内の反発から、出席は無理だと考えた」と解説した。

沖縄の反発は「島ぐるみ」の様相だ。県議会の自民・公明党以外の5会派のほか、女性団体や青年団、労組は式典にぶつけるようにして「428『屈辱の日』沖縄大会」を宜野湾市内で開く。

実行委員会の共同代表を務める伊志嶺雅子・県女性団体連絡協議会長は「米施政権下の沖縄が、憲法が適用されずにひどい目にあった事実を訴えたい」と意気込む。

「主権回復の日」の式典について、「犠牲のシステム 福島・沖縄」の著者の高橋哲哉東大教授(哲学)は「式典開催に当たり、日本がサンフランシスコ講和条約で沖縄を切り離したことを忘れていたのなら、安倍氏は首相失格。分かってやっていれば、沖縄に対する差別で、イジメに等しい」と批判する。

その上で「日本人全体でも、428日は祝う類いのものではない」と続ける。それは、いまも日米地位協定によって、米軍が日本で自由に行動できるからだ。

596月、沖縄本島中部の宮森小学校に米軍機が墜落し、児童ら18人が死亡した。20048月には、大型輸送ヘリが沖縄国際大学に墜落したが、この時も米軍は協定を盾に、事故現場を封鎖し、日本の警察官や政府関係者の立ち入りを拒んだ。米軍兵士が刑事事件を起こした際、日本側が勝手に裁判をできないのも同じだ。協定は米軍に、兵士の一次裁判権を認めている。

高橋氏は「日本が属国の状態を受け入れているのとほとんど変わらない。式典開催は内容が空虚で、空威張りにすぎない」と語る。

「日米地位協定入門」を出版した沖縄国際大の前泊博盛教授(基地経済論)は「米軍基地が日本にいる理由として、『抑止力』という言葉が使われる。でも、目に見えないし、本当に存在するものか分からない。『主権』も同じくヌエのような存在だ」と指摘する。

米軍以外でも、環太平洋連携協定(TPP)参加交渉の自動車輸出について、米国に完全に譲歩したことを挙げ、「そんな国に、主権を祝う資格があるのか」。

式典開催には大義がないとし「自民党の保守派は、日米安保を含めた講和を屈辱的なものだと感じていたからこそ、党内でも式典に反対の声が出る」。さらに外交上も問題があると言う。「沖縄を切り離した段階での主権回復を祝うと、中国に対して、尖閣諸島の日本の主権について誤ったメッセージを送ることにつながりかねない」

そもそも「主権」とは何なのか。

「『国家主権』という思想」を著した東京外国語大の篠田英朗教授(国際政治)によると、対外的に独立した状態にあり、国家における最高の権力を指す言葉だとした上で「主権の定義づけは難しく、民主主義や人権と比べて抽象的な度合いが極めて高い。政治的な概念だといえる」。

国際政治の場で「主権」という言葉はしばしば使われるが、「利害の対立する国家が、自分たちの有利なものにするため、それぞれの主権論を展開している」と説明。東西ドイツが統合して欧州での地位が向上した際、ドイツ首脳は盛んに「主権」を使ったという。

篠田氏は「日本は幸か不幸か、日米同盟を結び、うまくやってこられたので、わざわざ主権を口にする必要がなかった。現在、中国や北朝鮮など日本の周囲が騒がしくなり、国威発揚とまではいえないが、安倍氏は『主権』を政治スローガンとして使い始めたのではないか」と分析した。


[デスクメモ] 

「軍事で日本は51番目の州」。横浜市内の懇親会で基地話からこんな声が出た。地位協定の前に日本政府の顔は見えず…オスプレイの超低空飛行からも明らかだという。しかも住民の反対で米本国では飛行が延期とくれば、「主権」さえも空疎に思えてくる。真の「トモダチ」になれる日は来るのか?(呂)


2013423日 東京新聞 こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013042302000137.html

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